親友♂の彼女
みららぐ
とある日のカフェにて。
「最近、
目の前の男が、不意にそう言って俺にスマホの画面を見せる。
そこには、なんとも可愛らしい姿が写っていた。
「…出会ってどれくらいだっけ」
俺が目の前の男にそう問いかけると、男はコーヒーカップを手に取って言った。
「今年で2年が経つ」
「まだそんなじゃん。何か気に障るようなことしたんじゃねぇの?」
「そんなわけない。毎日優しくしてるし、この前も病院の帰りに車で公園に連れて行った」
そう言って男がコーヒーを飲む姿を見ると、俺はその不意の言葉に反応して口を開く。
「病院?愛理ちゃん、どこか悪いの?」
「まさか。健康診断だよ」
「ああ、なるほど」
「特に悪いところはないって」
「もう結果きたの」
「その場で聞いた」
男はそう言うと、コーヒーカップを受け皿の上に戻して呟くように言う。
「……愛理に万が一何かあったら、俺マジで死ぬ」
「…お前愛理ちゃんいないと生きていけないもんな」
「うるせぇ」
相変わらずの男の様子に、俺はちょっと笑ってしまう。
不意にスマホの時計を見るともう17時を過ぎていたから、俺はまたなんとなく口を開いた。
「…まだ帰らなくていいの?」
「ガキじゃねぇんだから」
「いやそうだけど、愛理ちゃん寂しがりやなんじゃないの?待ってるかもよ」
「…」
俺がそう言うと、男がまたスマホを開いて何やら指で操作する。
何をしているのかわからないが、まぁどーせ愛理ちゃん関係だろう。
そう思っていたらそれは当たっていたようで、男が言った。
「ほんとだ。すげー待ってるわ」
「何見てんの?ライン?」
「いや、部屋に設置しておいた見守りカメラ。これさえあればいつでも愛理の様子が見られるから」
男はそう言うと、「俺そろそろ行くわ」と席から立ち上がる。
財布を開いたらあまり現金が入っていなかったようで、男からキャッシュレスでスマホに金が送られてきた。
「ん。じゃな、お先」
「おう」
俺はそのまま男と別れると、軽快な音楽が流れているカフェの店内で、ため息混じりに背もたれに寄りかかる。
「…」
男から初めて愛理ちゃんを紹介されたのは、今から2年前。
俺は愛理ちゃんに出会ったあの時、初めてその可愛さに悶絶した。
大きくてくりくりとした目に、可愛らしい仕草。
怒った顔すら可愛くて、何枚も写真を撮らせてもらった。
そりゃあ、あれだけ可愛けりゃ「愛理」なんて名前もつけるよな。
俺はそう思うと、愛理ちゃんが写る画像をスマホの画面に表示する。
ああ、いつ見ても可愛いな。
なんでこんなに可愛いんだろう。
もう犬や猫なんて比じゃない。
何度も会ううちに、いつしか俺も愛理ちゃんの虜になってしまった。
男の大事なペットである「うさぎ」の愛理ちゃんに。
親友♂の彼女 みららぐ @misamisa21
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます