変化は常に起きている
変化と噂
楓と同居を始めて数日が経ち、今日は9月1日。
今日から2学期が始まる。
夏休みには色々な事が起こった。
特に3年間付き合ってた彼女と別れたのはショックが大きい。
楓と過ごしていると忘れられるが、1人になると寂しくなる。
「はぁ……今日から学校か」
彩春とクラスは違うが、学校だとどうしても姿を見る事になる。
まだ自分の中で整理がついてないから
できれば顔を合わせたくない。
「おーい!日向兄さんはやく〜!!遅刻しちゃう!!」
「今行くからちょっと待ってて」
楓は転校の手続きで1度学校へ行った事があるみたいだが、
ここからの道のりはわからないそうなので
一緒に登校する事になった。
リュックを背負って玄関へ向かう。
そこには制服に着替えた楓がいた。
私服姿はここ数日で見慣れたが、制服姿は初めて見た。
「どうどう!?私の制服姿。かわいいでしょー」
そう言いながらくるっと一回転する楓。
身内の贔屓目なしにとても似合っていた。
「ああ、似合ってるぞ」
「でしょーえへへ」
「じゃあ、そろそろ行くか」
「おっけー!!」
俺達は並んで家を出た。
学校までは一駅だが、歩きとそこまで時間が変わらないので
俺は運動ついでに歩いて登校している。
学校へ向かっている最中、楓の転校前の学校での生活や
俺の学校生活について、授業の進度などの話題に花を咲かせた。
「ところで日向兄さん」
「どうした?」
「なんか視線が凄いんだけど…」
「あぁ…その事か」
学校に近づくにつれ好奇の視線が少しずつ俺達に向けられていた。
彩春と一緒に校内で過ごしていた時に比べて
少なかったのと、美少女である楓は慣れていると思って
気にしていなかったが、この様子だと慣れていないみたいだ。
「多分見慣れない美少女がウチの制服着て
男と歩いているからじゃないか?」
「うわぁ……私、見せ物じゃないんですけど」
「まあまあ、落ち着いて。多分1週間くらいで収まるから」
不満げな顔をする楓をなんとかして落ち着ける。
そうこうしている間に学校へ着いた。
校内では視線の数がより多くなり、落ち着いていた
楓がまた不満そうな顔をする。
「むすー」
「あはは…」
不機嫌さを隠そうともしない様子に、
俺は苦笑いしかできなかった。
「じゃ、私こっちだから」
「頑張れよ、転校生」
1年生と2年生の階が違うので下駄箱で別れる。
1人にさせるのは少し不安になるが、楓ももう高校生だ。
ある程度は自分でなんとかできると信じて自分の教室を目指す。
向かっている途中、どこの教室からも
声が聞こえてくる。詳しくは聞き取れなかったが、
おそらく夏休み中の事で盛り上がっているのだろう。
そんな事を考えている内に教室前に来ていた。
中の様子を見るといくつかのグループ同士で雑談をしていた。
何人か見覚えがないのはおそらく夏休み中にイメチェンしたのだろう。
そんな変化を感じながら席に着く。
「久しぶり〜日向」
「久しぶり…時雨」
隣の席に勝手に座って声をかけてきたのは
去年の春にたまたま隣同士になって話しかけてきた。
それから趣味が近い事がわかりよく一緒に過ごす仲になった。
「……色々大変だったな。日向?」
「………なんの事?」
思わず惚けて返してしまう。多分彩春と別れた事だろう。
あの時気付かなかったが現場を見ていた奴が
広めたのだろうか。
「誤魔化したい気持ちもわかるが…結構広まってるぞ。
お前と我ら中央高校のアイドル恋水さんの破局。」
「………そうか」
「まあそう落ち込むなって。今日の終わった後暇か?
奢ってやるから愚痴でもなんでも聞くぞ。」
「いいよ。今日用事あるから。」
せっかくの友人の気遣いはありがたいが、
これは俺と彩春の問題なので断る事にする。
それと、昼食を食べに行ったら楓の食べるものがなくなってしまうしな。
「そうか……俺はお前の味方だから。悩みがあったら聞くぞ」
「……今はその気遣いだけで嬉しいよ。
でも何かあったら相談するよ」
話が終わるのを見計らったかのようにチャイムがなる。
「もうこんな時間か。じゃあまた」
そう言って自席に戻る時雨。
よかった。これ以上会話をしてたら
あいつの優しさに泣くかもしれなかった。
「あ、一つ言い忘れてた」
「?」
なんの事だろうか?全く見当がつかない。
「なんか知らない美少女がウチの制服着てたってさ。
見た目的に一年生らしい」
「そうか…」
どうやら楓の事だった。
これからしばらくは転校生と
アイドルがフリーになった話題で持ちきりになりそうだ。
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ここまでお読みいただきありがとうございます!
今回から作中では2学期になりました。ようやく自分が書きたかった事が
書けそうで楽しみです!!
面白いと思ったらいいねや星、フォローをしてくださると嬉しいです!
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