第4話トルクメニスタンパビリオン
「教えて!なこなこ先生」
~トルクメニスタンパビリオンで“永世中立”の微笑み~
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大阪・夢洲の万博会場。
トルクメニスタンパビリオンの前に、なこなこ先生とだみんちゃんが立っていた。
パビリオンは丸みを帯びた三角形の近未来的な外観で、
「より良い明日を作り出す(Inspiring a Better Tomorrow)」
というテーマが掲げられている。
「今日はトルクメニスタンの魅力と近隣諸国とのしがらみについて、ブラックジョーク多めで解説するよ!」となこなこ先生。
「トルクメニスタンって、どんな国なんですか?」とだみんちゃん。
「世界第5位の天然ガス埋蔵量を誇る、中央アジアの砂漠の国だよ。
1991年にソ連から独立して以来、“永世中立国”を名乗ってるんだ。
国連にも正式認定されてるよ。
でも、実態はロシアや中国、イランなど大国の間で絶妙なバランスを取る“中立外交”が得意技。まるで“どっちにもいい顔”する親戚のおじさんみたいな国だね」
「へえ~、でも近隣諸国とは仲良しなんですか?」
「それが、なかなか一筋縄じゃいかないんだ。例えばウズベキスタンとはアムダリヤ川の水の分け合いでしょっちゅう揉めてるし、イランとはカスピ海の国境線で火花バチバチ。アフガニスタンからは麻薬が流れ込んでくるし、カザフスタンやアゼルバイジャンともカスピ海の領海問題が未解決。まあ、“永世中立”って言いながら、実は“永世トラブルメーカー”なんじゃないかって噂も……
あっ、セルダル・ベルディムハメドフ大統領万歳!」
(なこなこ先生、急に大声で万歳三唱)
だみんちゃんが目を丸くする。「えっ、今なんで急に?」
「トルクメニスタンは独裁政権だから...前の大統領も個人崇拝がすごかったけど、今も体制はバッチリ継承されてるからね」
その時、イランパビリオンの担当者が近づいてきた。
「トルクメニスタンさん、カスピ海の国境線、そろそろ決着つけませんか?うちの石油採掘計画が止まってるんですけど」
なこなこ先生は笑顔で返す。
「イランさん、うちは“永世中立”ですから、どちらの味方もしませんよ。
...セルダル・ベルディムハメドフ大統領万歳!」
するとウズベキスタンパビリオンの担当者も現れ、
「アムダリヤ川の水、今年はもうちょっと分けてくれませんか?干ばつで困ってるんです」
「ウズベキスタンさん、水は“永世中立”で分け合いましょう。
あ、セルダル・ベルディムハメドフ大統領万歳!」
だみんちゃんは苦笑い。
「...パビリオンも、持続可能性やサステナビリティを前面に出してるけど、実際は天然ガス依存経済。環境対策も“永世中立”の名のもとに、ゆっくり進行中。
あ、セルダル・ベルディムハメドフ大統領万歳!」
最後に、だみんちゃんが「本当はもっといろいろ聞きたいのに……」とつぶやくと、なこなこ先生はにっこり。
「トルクメニスタンのいいところは、全部大統領のおかげ!悪いところはないよ
……セルダル・ベルディムハメドフ大統領万歳!!」
二人は、どこまでも“中立”で“万歳”な空気に包まれながら、次のパビリオンへと歩き出した。
教えてなこなこ先生! だみんちゃん @daminchan
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