第2話 家出少女
「あれは3人目ぐらいの頃かな、少し派手めな子が3人ぐらいで来てくれたんだ」そう言って女性は語りだした。
「いらっしゃいませ。3名様でしょうか?」珍しいお客さんが来たと思いながらも接客をすると女子高生グループが話を切り出す
「うちら、表のポスター見てきたんですけど、なんか悩み?聞いてくれる的な」
喫茶のお客ではないことを理解し、すぐに対応を切り替えることにした
「なるほどポスターをご覧に。そうですか、では空いてるお席にどうぞおかけください。お飲み物は何になさいますか?」
えー、何にする??甘いのがいいー、などとたわいのない会話が聞こえてきた。
店員が注文の品を席に持っていき話を持ちかけた。
「さて、それで相談者は誰ですか?」
対面の女子高生が問に答えた
「相談者はウチなんだけど、マジでウチの親超毒親?ってやつでマジ親ガチャハズレなんよね」
それに残りの2人も同調してきた。
「ほんとリオの親マジで厳しくてえぐい」「マジでウチだったら耐えらんないー」
このままでは話が進まなそうなので店員が話を切り出す。
「それで相談者さんはリオさんでよろしいのですか?差し支えなければご年齢と上名前をお聞きしても?」
「なんで?別にどうでも良くね?聞いて何すんの?」
「あくまでもこれは私の趣味でやっていることで携わった方々との履歴を氏名と一緒に記録したい思っているだけなので、情報を売ったり、お金もとる予定もございません。これぐらい許して頂きたいのですが?」
女子高生達は納得したかのように口を開く
「こがりお17歳これでいい?」
漢字を知りたいと思いペンとメモを取り出して目の前の女子高生に渡した。受け取る時に女子高生の手が机の端に置いていたグラスに当たってグラスが落下していった。
「うわー、やばやっちゃった、え、うち悪くないよね?渡し方が悪かったくない?」
「問題ないよ、こっちでやっておくから名前でも書いておいてくれないかな?」
悪びれる様子がないので呆れから態度が言葉遣いにでてしまった。
グラスと飲み物のを片付けて新しい飲み物を持ってきて席に着いた。木賀莉桜それが今回の相談者の名前だ。
「さて、お待たせ致しました。ではお話お伺い致します」
やっと始まるかに思えたのに真ん中の女子高生が話を遮ってきた
「てか、さっきの喋り方でいいよ、お姉さん美人だし、メロいからその方が楽っしょ?」
何を言ってるかよく分からないが普段の喋り方を求められているみたいなのでそれに応じようと思い話を戻した。
「じゃあ、この喋り方で応じさせて貰おう。それで相談内容はなんだい?」莉桜は答える
「えーマジでウチの親との相談なんだけどうちの親厳しくて門限あんのね、んでこないだそれ破ったら携帯止められてさ、ありえなく無い?携帯止められたら連絡とれないじゃんってなってさ、帰ってさウチキレたのよ、したら親がさ言ってきたのよ『あのね。貴方も色々気をつけないといけない年齢になってきたから』とか何とかでさ、けどさ同い年の子なんてもっと遊んでてそれに比べたらウチなんて優等生みたいなもんだし?したら売りに買言葉?みたいになって親がヒスりだしてウチの顔にビンタしてきてさそっからずっと無視してくるからウチも、もういいやって思って今家出中」
そう語り終えるとまた2人が同調してくる。とりあえず話をメモに要点としてまとめて何個か質問した。
「それで、門限は何時だったんだい?」
尋ねるとスマホを片手に淡白な返しが帰ってきた。
「10時だけど」どうやら今は友達とスマホでなにかを見て盛り上がっているらしい。
「姉妹はいるのかい?上でも下でも」
「一人っ子だけど」また淡白に返ってくる。「それで君はこの話をどうしたい?理想を教えてくれないかい?」
今度は少し顔をあげて応えてきた
「ウチとしてはマジ子離れして欲しいってか、寧ろ独り立ちしたい見たいな?」
「なるほど。わかった。では今日はこれぐらいにしてまた対応を考えさせて貰うよ。なにか会った時に連絡できるように連絡先を教えてくれないかい?」
こちらがそう投げかけるとスっとQRコードの写った画面を見せてきた。
「すまない。電話番号で教えてくないかな?」すると気だるそうに答えた
「今どきインスタしてないのえぐ、ウチあんま人に番号教えたくないんだけど適当にID書いてるからメモって連絡してきて」
そう言ってスマホを机に置いてこちらがメモを書き終えた辺りで終わったか尋ねて来たので返答し帰るように促した。
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