面倒見のわるい喫茶店
@s-ya110
第1話「あなたの悩み拗れさせてみます」
茹だるような暑さで
いつもの通学路よく通る道、そこにある喫茶店で蒼次は見つけてしまった。年齢は20代であろう嫋やかな黒髪、見つめれば吸い込まれそうな瞳。一目ぼれしてしまったのだ。息をのむことすら忘れるほど引き込まれた。そんな蒼次を現実に戻したの体のSOS信号だった。いったい何秒見つめていたのだろうそんな思いにふけながら学校に向かった。
結局蒼次が学校についたのは4限が終わる30分ほど前だった。昼休みになると蒼次の友達の
「またこんな時間に登校とか、社長様かよ笑」「成績とか大丈夫かよ、自称天才なんだろ、次のテスト満点ぐらいとれよ笑」
そう言われた蒼次は二人に言い返した。「俺は天才は天才でも平均的なんだよ、完璧すぎたらお前ら嫉妬するだろ。それに人の成績を気にする前に縁司は授業は起きてたほうがいいぞ、顔にシャツの跡がついてる。秀弥はスマホ気をつけろよ後ろからバレバレ。」
そんなたわいのない会話をして昼休みが終わった。
課業後蒼次は今朝見かけた喫茶店について何か知らないか二人に尋ねた。秀弥からは
「あーあのえぐい美人のいる場所か、なんかって言ってもあそこって元々細々とんおっさんがやってた場所だろ、それ以外しらねぇわ」
縁司からは変わった話が聞こえてきた
「変な噂話多いよな、人の女を寝取ったやつがいるとか、近くの高校のやつとトラブルを起こしたとか、人を殺したとか、警察沙汰にまでなってたらしいぜ、美人がいるからってあんまり関わらないほうがいいぜ」
この話はそれで終わり三人でソーシャルゲームをしたり普段と変わらない日常を消費して一日を終えた。
帰り道蒼次はやはりあの喫茶店がきになり前を通った。蒼次は目を疑った。居るのである。今朝見かけた女性が店前を清掃していた。思わずまた見惚れていると声をかけられた。
「いらっしゃい。お客さん?まぁ入りなよ」
蒼次は促されるままに店内に入っていった。「飲み物はアイスコーヒーでいいかい?」
店に入るなりすぐに注文を聞かれることに驚きつつも蒼次はそれに肯定し、しばらくすると女性は二つのアイスコーヒーを持ってきた。なぜ二つなのか疑問に思っていると女性が口を開いた
「それで、君はどんな悩みを聞かせてくれるのかな?」
蒼次が戸惑っていると女性はまた何かをしゃべりだした
「おっともしかして表にあるポスターを見てきたお客さんじゃないのかな、これは申し訳ないことをしたね。そのコーヒーはサービスしておくから許してもらえると助かるよ。」
そう言い終わっても前の席から動かない女性に気まずさを感じ蒼次からいくつか疑問を投げかけた。
「ここって元々男性の方がやってられたんじゃないんですか?バイトかなんかですか?」女性は問いかけに答えてくれた
「それは、前オーナーだね。私の叔父だよ、亡くなって店を相続したんだ。元々裏でいろいろ手伝っていてね勝手を知ってしたからね、快く引き受けた。他にも聞きたそうだね君」
蒼次はそれを質問の許可だと理解し他の質問も投げかける。
「一人でこの店を?バイトとかは雇わないんですか?」
「人づきあいが得意ではなくてね。こんな閑古鳥が鳴いているような喫茶だ人手もいらないだから雇ってないんだ。」
そうしてしばらくまた沈黙が流れた。その沈黙を破ったのは女性のほうだ。
「ところで君は聞いてこないのかい?表にあるポスターのこと、今朝熱心に見ていたんじゃないか」
蒼次は今朝の行動がみられていたことに対して少し気まずさを覚えつつそれらしきポスターの内容を思い返す『あなたの悩み拗らせてみます』そんな変な文言があったポスターを思い出した
「おもてのポスターって悩み相談のやつですか?拗れさせるとか書いてたやつ。普通の悩み相談的な奴じゃないんですか?」蒼次が質問すると女性は答えてくれた。
「相談ではないよ。見たままさ、悩みを聞いてそれの問題を複雑にする。トラブルメーカー的な仕事をしてるのさ」
蒼次にはあまり理解ができていなかった。
その様子をみて女性が口を開く
「君は今の話が腑に落ちてないみたいだね。そうだな、私のこれに関しては守秘義務がない。過去の前例から何をしているか話してあげよう。君と年が近そうな女子高生の話でもしてあげよう。」
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