都合のいい駒

人狼と村人

職場のいい年した大人が、年下相手に無視を続けている。

そもそも悪いのは大人の方なのに、勝手に怒ってキレ散らかす。

正直、ああはなりたくないと思った。

おそらくは、あの場に居た全てのひとが。

きっかけは、勘違い……いや、相手の被害妄想からだった。

僕が送ったラインを誤読して、「私は休んじゃいけないのか！」と、キレた。

極論すぎるその解釈を受け、それでも誤解させたならこちらに非もあると思い謝罪した。

しかし、相手は激昂してばかり。

聞く耳もたず。

相手と僕は、月12日前後のシフト構成だった。

相手と僕は一緒に出勤することはほぼない。

たまにある研修のときぐらいだ。

つまり、相手が休みを取った日のシフトを埋めるのは、僕なのだ。

そこで、見てもらいたい。

今回のシフトは月13日。

その中で、相手は月10日も入れないシフトに☓を打っている。

そこで、僕の10日分のシフトは決まってしまう。

不公平ではないか？

僕は相手が自由に休みを取るための穴埋め要員ではない。

「☓が多い」と指摘したのは事実だが、それを受けて「私は休んじゃいけないのか！」は、理不尽な怒りだ。

結局、相手が好き勝手シフトを組んでいる状況。

さらに悪いことは、仕事をしないことにもある。

やらなければならないことはせず、目上の方への媚売りだけは忘れない。

それは非常にストレスだ。

会社側は、それを受けても何もしない。

愚痴は聞いてもそれ以上のことはしない。

少なくとも、僕が把握している限りは野放しだ。

人数が限られた職場。

それに、クビには簡単にはできないから仕方ないのかもしれない。

しかしそれどころか、イジメを受けている僕の方が辞めさせられそうな現状だった。

どんな意味でも、強い者が勝ち残る社会なのかと残念に思う。

今まで、仕事のため、会社のために尽くしてきたつもりだったが、気持ちが冷めてしまった。

好き勝手やったもの勝ちなら、そうした方が賢い。

パートの代わりなんていくらでもいるんだ。

僕たちは、単なる駒のひとつでしかない。

病んでも、ハラスメントを受けても、何をされても強者が勝つ。

人狼の狼のように、村人は噛まれるのを待つばかりだ。

人狼を飼い慣らすこと。

それが会社の仕事なのかもしれない。