第14話 気づいていなかった2人
二人ともが片想いだと思っている事実に困惑気味の、雪と雪斗、その事実を強子と強士に、伝えるべく2人は、行動する。
雪は、財務大臣室で待っている強子にたどたどしく話しかけた。
「ねぇ、強子様?」
強子は、笑顔で「何?」と言った。
「強子様って強士様のこと好きですよね?」
強子は、顔を赤らめながら、
「何よ、まぁ、今日私があなたに相談したわね、」
「強子様、よく聞いてください。あのですね、今日首相と、話をしてきたの、そしたら、強士様も強子様のことについて相談しに来たらしいのですよ。」
強子は、困惑を隠せずに
「えっ、はっ、え、強士くんって私のこと、好きだったの?えっ、本当に?」
雪は、真面目な顔で
「ええ、本当です。雪斗様の話ですので。」
と言った。強子は、妙に納得した。確かに、2人が親友であることは知っていた。強子は、ハッとした様子で(ってことは、私が強士くんが好きってこと強士くんにつたえらへちゃうってこと?)と思った強子は、顔を真っ赤に染めた。
一方で強士を呼び出した雪斗首相は、強士の分身が来たとき、
「よう!強士?単刀直入に言う、強子は、お前のこと好きだぞ?」
強士は、困惑しながら、
「あっ、えっ?そうなのか?」
雪斗は、からかいながら
「ああ、そうだぞ?お前、まさか嘘だと思っているだろ?」
強士は強く答えた。
「ああ、そうだよ、なんか文句でもあるか?」
と言い終わったあと、何故か、強子と再開した時のことを思い出した。それは、2ヶ月ほど前の(十雷とのお話のあとに交通安全担当大臣室に戻ったら強子が赤らめた表情をしている)というものだった。そうして、強士は、ハッとした。
「えっこれ、そういうことだったのか?てっきり、恥ずかしがっているのかと、」
雪斗は、またからかった。
「バカじゃねぇの?お前の記憶を見たんだけどな、久しぶりに強子が強士に会ったとき、恥ずかしがってなかったじゃねぇか。」
強士は、少し驚いた様子を見せたが、確かに、と納得したのか、コクって頷いた。
雪斗は、続けて、
「やっと納得したようだが、いつ告白するんだ?もう受け入れられることは、わかってるだろ?そもそも、昔の記憶を取り戻すために俺がいるわけではないならな?」
強士は、かすかに笑みを浮かべながら、
「ああ、そうだな、ちなみに今、俺の本体が強子と一緒にいるが、強子も俺の本体を見ているし、そういうことか?」
と言った。雪斗は普通の笑みとなって、
「おう、行って来い」
そして、今日18時夕焼けの光が窓から差し照る中、強士は、強子の所に向かった。そして、強子もそれを見て、強士の所に向かっていった。そして、部屋のど真ん中ちょうど真横に大きな窓がある所に2人が来ると、強士が恥ずかしながらも、清々しい気持ちで
「お前のことが、好きだ、付き合ってくれないか?」
と言った。そして強子は、顔を赤らめながら、
「ええ、付き合ってあげるわ、私も大好き、」
と言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます