第13話 相談

強子が自分の思いを打ち明け、雪は言った。


「そう、強子様って強士様に恋をなさってるんですね、でも、今いる強子様が分身だなんて、初めて知りました。それも、強士様のおかげ何ですね、」


 一方その頃、安全担当大臣室では、強子がスッと仕事に戻った。そして、強士はそれを見て、何かを思いついたのか、自分の分身をもう1体作り、首相室に向かわせた。


 一方で財務大臣室では強子の分身による、強士実況が行われていた。強子が見た事を強子の分身が雪に言った。


「あっ、今強士くんが分身魔法使っていたわ、その分身は、どこか行ったけど、」


雪は、首を傾げて言った。


「どこに行ったのでしょう?強士様の分身は?」


強子も首を傾げて言った。


「わからないわ。」


 一方で強士の分身が首相室にたどり着いた。それを見た、実山雪斗首相は、


「おい、どうしたんだ?分身を寄越すなんて、残念ながら俺は、恋愛したことないから、相談に乗れないぞ?」


強士の分身は、


「お前と話してから強子への恋心が止まらないんだが、どういうことだ?」


雪斗は、ニヤッとして


「あぁ、お前に、精神操作魔法を使ったからな、そもそもお前、俺に強子が好きっていうこと伝えてなかったか?お前と親友になってからすぐにな、これは、7.6年前ぐらいか?まぁ、今となってお前は、自由の身になったのだから、昔できなかった夢を叶えてやるっていうことだよ。」


強士の分身は、困惑しながら、


「といってもお前、精神操作魔法を使うっていうのもねぇ~だろ!」


と言った。雪斗は、睨みつけて、


「だからってお前、昔は、結婚したいだの、大好きだの告白したいだと言っていたじゃねーか?何?お前俺の魔法を使わなくても昔の事を覚えていたのか?」


と言った。強士は、しょぼんとしたが続けて、


「そう言うのも思い出さないから、俺がやってるんじゃねぇーか?」


と言った。それらの言葉が刺さったのか、すぐに分身魔法を解除して逃げ出した。


「だからお前は、行動が陽キャでも、恋愛に関しては、陰キャなんだよ、」


と雪斗は、仕事に戻り、ぼそっと独り言をつぶやいた。


 その後、強士も仕事に戻り、強子との会話も増えてきた。そして、昼食時、雪と雪斗が一緒に食堂の机を挟んで向かい側に座っていた。そして、雪が雪斗に問いかけた。


「雪斗さんって、強士様と仲よろしいのですよね?」


雪斗は、ニコッと答えた。


「あぁ、仲いっすが、それがどうしたんすか?」


雪は、考える素振りをしながら、言った。


「えーっとですねー」


そして、雪は、雪斗に近づいて小声で


「強子様が強士様が好きらしいですね。肝心の強士様は、どうなんです?強士様から聞いておっしゃらなかったですか?」


それを聞いた。雪斗は、驚いた様子で


「はぁ!?強子ちゃん強士が好きなんすか?強士は、強子が好きだから、両思いじゃないっすか!?」


と言った。それを聞き、雪も驚いた様子で


「はぁ!?強士様は強子様が好きなんですか?ということは、両思いなんですか?ということは、もしかして、二人とも片想いだと思っていて、告白できないという、陰キャムーブをかましているっていうことですか?お二人さん尊すぎ」


と言った。雪のオタクムーブに対して雪斗は、少し困り顔をして、それが終わるのを待った。すると、昼食の時間が終わってしまっていた。

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