第12話 心臓の鼓動
実山雪斗が首相に就任したと同時に、強士と会話を行った日の翌日。強士は、夢にまで強子を見るようになっていた。寝不足気味になりながらも、いつも通り、交通安全担当大臣室に行った。すると、強子は眠そうにしている強士に、声をかけた。
「あんた、どうしたの?すんごい、眠そうだけど。」
強士は、顔が赤くなりながら、
「あぁ、大丈夫だ、あの、なんだ、少し、俺から、離れてくれないか?」
強子は、首を傾げながら、
「なんで?あぁ、確かに、なんか顔が赤くなったわね、あんた、もしかして、私のこと」
強士は、強子が話してる途中に
「だから、やめてくれ、俺の心臓が、持たない、」
強子は、ニヤッとしながら
「はい、どけばいいんでしょ」
と言い、強士から離れた。
その後、交通安全担当大臣室は、書類に因関する音と、書類が擦れる音しかない閑散とした空間になった。その間強子は、顔に手を覆いながら、「あーもう、何で、ニヤッとしたの?私、強士くんととの仲を深める絶好のチャンスだったじゃない!」と思っていた。
一方強士は、平然と仕事を進めているように見えるが、内心には、「なんで、俺、強子に、恋心を抱いているんだ?あーもう何で、夢にすら出てくるんだよ!眠れねぇじゃねーか」と思っていた。
次の日、その次の日も、強士は、強子が夢にまで出ていた。また、強子も、強士に話しかけられない日々が続いた。
そして、2人は、相手を意識しないように、何か、策を講じた。7月29日、やっと、普段通り、話しかけることに成功した。しかし、2人の会話は、たどたどしい感じであった。
偵察魔法で2人のことを見守っていた。十雷は、実山首相に問いかけた。
「なぁ実山くん、強士を呼び出したとき何を言った?」
実山首相は、ニヤッとしながら
「あぁ、ちょっと強士の恋心を引き出しただけですよ。魔法でね。」
と言った。十雷は、困惑しながら
「魔法でできるわけが、あっ」
と言ってる最中にハットした様子で切った。すると実山首相は、興奮したように言った。
「そうだよ、そう、精神操作魔法さ、俺の場合は、強士の奥底にあるものを引き出しただけですがね。」
それを聞き、十雷は、思い出したかのように
「そういえば実山くん強士の親友だったな、すっかり忘れてた。」
と言った。
一方その頃強子の分身がいる財務大臣室では、強子の分身が頭を抱えていた。それを見ていた将門雪は、強子の分身に問いかけた。
「強子様最近頭を抱えている姿が多くなっていますが?」
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