齋藤さんとしりとりをして負けると覆面レスラーが飛行機にカンチョーをしに猫じゃらしを持ってやってくる

うに豆腐

第1話

 なあ、知っているか田中。


 俺のじいちゃんは……


 他人が漬けたきゅうりが嫌いだ。


「はっ!」


 そこで、田中は起床した。いつも見る夢よりよっぽどの悪夢だ。まるで、知らぬ間に寿司の間に誰かがわさびを入れたかの様に、靴のかかとの方に小石が詰まって取れないみたいに、何か、すごい悪夢だ。

 ベットの隅に、ピクミンのシミが出来ていて僕としてはいけないと思ったけれど、やはりかっこいいなと思ってしまった。これは異端だいけないことなんだと言い聞かせるも、神に背いて今日も午後の紅茶を午前に飲むんだな。誰かが僕を見てそういうと、怒りを覚えたのだった。


「僕は一体全体誰なんだよ!」


 田中は叫ぶ。つい、家系ラーメンを食べたくなってしまった。そう、田中は家系ラーメンが食べたくなると叫んでしまうのだ。自分が誰かわからなくなって、スープを飲み干すと禁断症状は治るのだ。ところで、消しゴムを食べた事があるだろうか? 僕はある。

 シャーペンの芯はすごく美味しかったしテスト中にパリパリ食べていると窓の向こうでにんじん達が喜び合っているのが太陽系外惑星の間のおじさんの所から少し歩いた先のサイゼリヤの席から見た事がある。


 良いか? 悪いか? それは違う。


「おにぎりが食べたい」


 僕はいつか、鼻の下でパリジェンヌが踊りながらごま油に罵倒されたい。そんな夢を追いかけて今日も小指のコスプレをする。小さくて奥歯に挟まって取れない。あいつは青のりみたいな存在なんだと言われると、ちょっと嫌いになってしまった。

 クエン酸が欲しい! 水酸化ナトリウム!


「さあ始まりました! 第一回、ウノって言ったら負けゲーム!」


 そうだよ、何でマヨネーズ派がケチャップ派より多いんだよ! 憤りを覚えた。それはそうとして、今はこの局面をどう乗り越えるかだけを考えなくてはならない。でも、脳裏に顔みたいな大根が実家にあった事を思い出してしまって何も思いつかない! このままだと火星人の安藤さんが十円玉をコンクリートブロックの間の隙間に落として取れないと超新星爆発を起こしてしまう! 正直に言って七味って杏仁豆腐に合うんじゃないかと思ってしまった。


「ウノ!」


 その瞬間、目の前が真っ暗になった。手持ちのポケモンは瀕死、げんきのかけらが無くなったのと同時にカイリューの神速が打てなくなったんだ。くそぉぉぁぉぉあああ! おにぎりの具はしゃけとたかなが好きです。


「しりとりをしよう」


「さ、齋藤さん!」


「りんご」


「ごりら」


「らっぱ」


「ぱん」


 そして、齋藤とのしりとりに負けて覆面レスラーが飛行機にカンチョーをしに猫じゃらしを持っていくのであった。

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