第23話 アナタの心を狙い撃ち
今日は土曜日の朝、昨日の士郎君との放課後デートの思い出に
朝、起きたら。なーちゃんから連絡が来て。
〖全部。思い出したよ。ひーちゃん。2週間の約束もね。そして、この勝負は私の勝利で幕引きだね〗
「……なっ! 何? この写真!! 士郎君がなーちゃんを拘束してるのおぉ? それになーちゃんは服着てないしぃ……ホェ……」
ピコンッ!
〖決着を着けよう。ひーちゃん、私達のこの2週間の因縁の戦争に決着を!〗
私はそんな衝撃的な画像を見たせいで、数分間思考が止まった。
◇
《市民公園 バス停前 午前9時頃》
確かめなくちゃ。確かめなくちゃ。士郎君となーちゃんが昨日の夜何をしていたのか。確かめなくちゃ!
「な~に? なーちゃん。朝、市民公園にいきなり来て。何て? 私、これから士郎君に連絡して今日、遊べるか連絡する所だったんだけど」
「士郎君……そっか。ひーちゃんはまだそのステージにしか上がれていないのね。フッ…」
「うっ、何? その謎の自信は? 昨日までの荒れ様が全然、見えない」
「そう。私は下の名前を呼び合う様になっただけのひーちゃんと違うの。私は昨日、士郎にキスを迫れたのです」
「な、な、な、何んで……嘘でしょう!!」
私の思考はそこでショートした。
「そう。ひーちゃんがこの2週間。そのハレンチ極まりない身体で、士郎を一生懸命誘惑していたにも関わらず。最終結果は下の名前を呼び合う様になっただけに対して、私はキスを迫られてきぜつして、未遂に終わったの」
「へ? 未遂に? それって勝ちって事になるの?」
「な、なるよ。だって士郎は私にあんなに……優しくなかったかも。それよりも私の身体をまじまじと見て、士郎は……士郎はあぁぁ!! 私のお尻の辺りを!!」
「な、なーちゃん? 大丈夫?」
なーちゃんは自信満々の表情から一変。顔を赤くして、羞恥に満ち表情に変わって頭を抱えてウーウー
「そう。あれは夢だったの。私は服を着ていなくて、士郎の背中に張り付いて……アピールした。の、その後、お互いに体勢を崩して、中学校卒業前に一緒にお風呂に入った最後の日以来、久し振りに、私の全部を見られちゃって……士郎は…士郎は……私に……キスをををを」
「なーちゃんが遂に壊れたぁ?」
ま、不味いよぅ。このままじゃあ、なーちゃんが本当のアホの娘になっちゃう。
「な、なーちゃん。正気に戻って。なっちゃんから教わった。人を正気に戻す。
私はなーちゃんの頭の
ドスッ!
「キャアアアアア!!!」
早朝の公園になーちゃんの断末魔の声が響き渡ったの。
「…………これ?」
「な、なーちゃん。本当に大丈夫」
「うん。大丈夫だよ。ひーちゃん。今回の2週間戦争はこれで終わりにしよう。ひーちゃんは士郎を下の名前で呼べる様になった。私はあの存在しない記憶を全て忘れて、新しい今日を生きる」
「へ? 存在しない記憶って、なーちゃん。今日の朝、あんな写真を……」
ガシッ!
「ひぃー!!」
なーちゃんは私の両肩に肩を置くと
「ひーちゃん。昨日の夜は何も無かったの。士郎とはね。だから私とひーちゃんの戦いは引き分け。良い?」
「は、はい!」
「じゃあ。今度からは、学校ではひーちゃんが士郎を独占して良い、それ以外の場所では。私が士郎を独占する。そういう感じでどうかな? ひーちゃん」
凄い力だよ。それになーちゃんの圧がこんなに?
「どうかなも何も。もし、私がそれを断ったら? どうなっちゃうのかな?」
「えーとねぇ。ひーちゃんが士郎とひーちゃん自身を題材としたN・T・Rの同人を作ってる事を士郎に話を…」
そうして、なーちゃんは私が書いて完成させた。士郎君が主人公のあれな漫画をカバンからチラッと私に見せて……私の顔は青ざめた。
「うん! それで良いよ。なーちゃん。私、それに賛成するから。だから士郎君に言っちゃう駄目えぇ」
「フッ……交渉成立だね。ひーちゃん。これからもお互いに大切な親友でいようね」
「う、うん……そうだね。なーちゃん。大好き……」
そうして、私となーちゃんは抱き絞めあって、仲直りしました。強制的に……ああぁー何で私が書いた同人がなーちゃんの手に渡ってるの? まだ、数冊しか刷っていないのにいぃ!!
◇
《テニスコート 10時30分頃》
俺はあの後、3校の試合が気になると冗談まじりに、萌萌に言うと。
(そうなんだ。じゃあ、
とか言って、莉桜高校のテニス部生徒が集まる。集合場所に無理矢理連れて来られたんだよな。
「か、カッコいい?」「イケメン?」「西蓮寺先輩の彼氏かな~」「背高い~」「良いなぁ」
「女の子ばかりだな。やっぱり俺、遠くで見て……」
「良い良いから
「おわぁ! おい! 萌さん。何、すんだよ!」
「「「「「キャア~! 絵になる~」」」」」
「だってさ」
「……知るかよ」
「あ、あの! 西蓮寺先輩の彼氏さんなんですか?」「どこかのモデル事務所に入ってたりします?」「肌、綺麗ですよね。スキンケアとか何、使ってるんですか?」
「あ……いや。待って……おい。萌萌」
「アハハ。大人気だね。士郎君。凪と何かあったかは知らないけど。落ち込んで無いで、こういう時は可愛い子達に囲まれて、気を張らした方が良いよ。特に
「……なんだよ。それ、俺は別に女の子達とイチャイチャしたくて公園に来たわけじゃないんだぞ」
こんな状況を凪や柊にでも見られでもすれば、俺は間違いなくあの2人に
◇
《飛鳥学園側 ベンチ》
「……あれ? 桐生君だよね。何で莉桜高校側のテニス部と一緒に居るの? そして、相変わらずのモテようですか。どこに行ってもフラグを建築するねぇ~、アイツはねえ? 2人共……?」
「……士郎。昨日の夜。私にあんな事をしておいて」
「士郎君。昨日、私と放課後デートしておいて」
「何で萌ちゃんの高校の女の子達と浮気してるの! 士郎!」
「何で萌ちゃんの高校の女の子達と浮気してるの! 士郎君!」
「おお、ハモった。流石、親友同士だわ」
「なーちゃん」
「うん。ひーちゃん」
「「浮気者に折檻折檻!」」
こうして、なーちゃんと私、柊は士郎君を成敗する事になりました。
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