第37話
第10話「風鳴る空中要塞」【Part 1】
― 高度4000メートル、浮遊都市 “Skyforge Citadel” ―
風鳴る空を背に、鋼鉄と魔導の技術が融合した巨大空中要塞。その足場は不安定で、少しの油断が即座に墜落へと繋がる。
ここで行われる準々決勝――対戦相手は、EUの強豪【Crimson Legion】。戦術型の職人集団であり、VALHYRIA屈指の連携力を誇る。
玲央、未来、陽斗がリスポーン地点に並び、最終チェックを行う。
未来
「ここ、足場が…半分浮いてるよ。下、全部雲の海じゃん……」
陽斗
「落ちたら即終了ってやつだな。よし、燃えるじゃん」
玲央は画面に映るマップ情報を睨みつけ、静かに告げる。
玲央
「このステージ、勝てばベスト4――“見えてくる”。」
■開幕:空中リンク戦術 vs 分断戦法(0~30秒)
開始と同時に、Crimson Legion は中央拠点を「空中ワープリンク」で即制圧。エースプレイヤー Marx(マルクス)は風属性魔導士で、足場ごと浮遊させて視線とラインを分断する特殊スキルを持つ。
Vanish は焦らず分散展開を選択。
• 陽斗 → 南側滑走ルートを通って敵のセカンドラインに侵入
• 未来 → 「分光シールド」で狙撃を防ぎつつ橋を封鎖
• 玲央 → 段差の多い中央高台に「影牙突撃」で一気に侵入
玲央
「“風”は読める。マルクス、初手はお前の狙い通りに行かせない」
Crimson Legion の最初の奇襲を読んだ玲央が先手を取る。敵の浮遊陣形を打ち崩し、1つ目の拠点を奪還することに成功。
■中盤:浮遊戦域の攻防(30~70秒)
Crimson Legion は高所浮遊陣を組み立て直し、制空権を支配し始める。マルクスの風魔法「ラピッド・スパイラル」により、陽斗は一時的に浮遊足場から転落。復帰リスポーンまでの間、Vanish は2対3の状況に。
しかし、未来が踏ん張る。「分光強襲陣」で敵の視界を一瞬ジャックし、玲央に“影の通路”を確保する。
未来
「玲央くん、いまっ!」
玲央が背後から接近し、「終の蒼牙・零式」で高所浮遊陣を貫通――敵の1名を強制ダウンに追い込む。
陽斗が復帰する頃には、戦況は2対2。空中を巡る制圧戦は、激しさを増していく。
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