第4話
うぅ〜……寒い。
春のはずなのに全然暖かくないよ……
僕はある家のドアの前まで行きノックする。
「アリスさーん、行きましょー」
そう言った瞬間、ドアは開き眠たそうなアリスが出てきた。
「おはよう。アリスさん」
「……うん」
その瞬間僕に寄りかかってくるアリス。
「アリスさーん、行きますよ―」
「いやだ」
「席替えできませんよ~?いいんですか?」
「する」
「じゃあ行きましょう」
「うん」
そういい、二人は歩き始める。
蒼の左手はアリスの右手によって使えない。
アリスってめちゃくちゃ朝弱いよな……
―――――――――――――――――
ジャケットのポッケに手を突っ込み俺はリビングに向かって一声かける
「行ってきま〜す」
返事を待たずに外に出る。
ドアがガチャリと閉まる音と共に
「行ってらっしゃい」
と父の声が微かに聞こえた。
……俺に春は来ないのか…?
蒼はアリスがいるし…早川は……まぁいいや
周りの会話も
彼氏が〜や彼女が〜という会話で盛り上がっていたりしている。
だからこそ思う。
俺には彼女ができないのか?
という疑問を…
「はぁ〜……俺も彼女ほしぃ」
「おや? 成瀬くぅん、おはようございますぅ」
「んあ? あぁ、早川か……おはよう」
「今日も蒼に壁にされ、アリスに殴られるのかな……?」
「お前も苦労してるんだな」
「それのお陰で筋トレを始めたんだよ」
「ごめん、さっきの言葉取り消すわ」
―――――――――――――――――
奥で成瀬と早川が笑いあっている姿が見えた。
僕はそれに気づき2人を呼んだ
「あ、成瀬君と早川君!」
2人もこちらに気づき足を止め後ろを振り返る。
「お、蒼、おはよう」
「おはよう」
これが僕たちの日常の始まりだ。
四人一緒に登校して始まる。
「今日も、アリスはお眠かい?」
早川がアリスの頭を触ろうとする。
僕は無意識に早川の手を握る。
すると早川はにやにやしながら
「おや、蒼君?ほほう????」
「な、なんだよ」
「いや何でもないんですよ?ただ最近ちゃんと嫌なことは態度で示すようになったなぁって」
「…悪いかよ」
寒い。
だけどなんだか暖かい。
アリスの体温なのか、それともこの空気が好きだからそう感じるのか。
僕は分からない。
そんなこんなで、学校に着いた。
―――――――――――――――――
「やったぁぁぁ!!!」
そう喜ぶアリス。
理由は席が僕の後ろだからだ。
「まぁ、隣が良かったけど、後ろってバレないじゃん?」
僕はと言うと真ん中の右端。
僕の隣は成瀬。
アリスの隣と言うと、
「よろしくねぇ〜アリスさぁん」
早川だ。
「お前が隣なのは許せない。」
アリスは拳を握りしめ言う。
「俺が決めたんじゃないんだけどぉ!?」
―――――――――――――――――
休み時間
「あ、そういえば今日運動会のチームが決まるらしいぞ」
そんなことを成瀬が言う。
運動会かぁ……運動苦手なんだよなぁ……(T^T)
「……え? もう決まるの? 始業式が一昨日で……早くない?」
僕は疑問に思ったことを言う。
チーム分けが決まるのが今日っていう理由は誰も知るはずがなく、みんな首を傾げる。
「私、蒼とがいいなぁぁぁ」
そう言いながら椅子に座りながら伸びをする。
「楽しみだねぇ! 俺は成瀬と敵がいいかなぁ。 君足速いもん。楽しいじゃん?」
「受けて立つ」
成瀬と早川の目線が火花を散ってる。
2人とも運動得意だもんな。
僕は……ね?
どうやら運動会の練習が始まるようです。
高嶺のあの子は僕にだけデレデレ wkwk-0057 @wkwk-0057
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