熱中症

「はーい皆ー!集合してくださいー!時間だよー!ほら、そこの2人も喋ってないで早く戻ってきなさい!…授業はじめますよ~」

 どれだけ私が声を上げても反応して集まってくるのはいつも3人だけ…いや、3人集まればいい方か。今日は笹原さんが体調不良でお休みだから2人しか集まってくることはない。始まる前から分かっていたことだしいつもの事だけど、これじゃあ本当に授業にならない。特に体育の授業ともなれば生徒の行動範囲が運動場全域にまで広がってしまうから余計に厄介。もはや、私がいてもいなくても何も変わらない。でも、目の前に来てくれたこの2人の為にも、授業を勧めないといけない。炎天下の中ずっと立って待っていてもらう訳にもいかないので、早く始めないと…

「…じゃあ、とりあえず準備運動しよっか」

 集まって来てくれたのはとても嬉しい。でもこの2人から声を聴くことはほとんどないので、実質1人で喋っているようなもの。こんな日々を続けていたら本当に気がくるってきそう。というか、本当に朦朧としてきたような…

「…先生、!?」

 この声は…

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