「涼香ちゃん、仕事の方は大丈夫なの?」
「えぇ、今週はおおめにおやすみもらってるんです。パートですし、自由なところだからのんびり働かせてもらってますよ」
「あらそうなの?仕事の合間を縫って会いに来てもらってたなら悪いなぁと思って」
「…なんだか、もうそろそろ旦那が起きて来そうな気がして。なるべく会いに来ようかと」
「女の勘ね」
「そんな感じです。あれ、その写真懐かしい!お店に飾ってたやつですよね?秀樹さんかっこいい〜」
「昔から顔だけは良かったからね、結婚してからも色んな人に言い寄られてて大変だったわよ〜…この間、夢で旦那に会った気がするのよね」
「夢に出て来たんですか?」
「そうなのよ。それでなに言い出すかと思ったら、“三途の川はめちゃくちゃ汚いから渡ってくるな、俺が長い時間かけて掃除するから綺麗になるまでまだそっちにいろ”だってさ」
「なんか、秀樹さんらしいですね。本当にこっちの世界に来てたのかも」
「そんな気がするわ…私ももう少し、この世界で待っていようかなぁ」
「そうしましょう、川が綺麗になるまでは行けませんね。まぁ秀樹さんのことだから、わざとのんびり掃除して長引かせようとして来そうですね」
「それはそれでいいわ、孫の結婚式の話持っていかないといけないし」
「ひ孫の話も持っていきましょうよ。じゃあ私、旦那のところ行って来ますね」
「中辻さん!」
「あら先生おはようございます。どうかされましたか?」
「旦那さん、意識戻りましたよ!」
「…本当、ですか…」
「ええ、早く顔見せてあげてください。涼香はどこですかってずっと言ってらしたので」
「はいっ…」
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