第3話 そして“現実”がやって来た
「ニュース速報をお伝えします。前外務大臣の大渕泰造氏の長男、大渕泰輝くんが同級生から短刀で複数回刺され、緊急搬送された病院で亡くなりました。犯人の少年も警察官がやむを得ず発砲した銃弾で頭部を損傷し死亡しました」
との報道から世に周知されたこの事件は……犯人の少年が遺した“独白”から極めてセンセーショナルに扱われ、一時は「デッドゾーン症候群」と言う言葉でマスコミを賑わせた。
でも『症候群』との言葉が示す様に……誰も “彼が変更する前の未来”を信じる事は無かった。
果たして真実はどうなのか??
イジメで心を病んだ“電波系の”少年がその妄想の末に起こしてしまった惨劇なのか??
でも、もしそうでなかったとしたら??……
いずれにしても
全てが
知る由も無いが……
いや、真実は一つあった。
“警察官”とだけ報道された“大渕泰輝付き”のSPは……大渕泰輝が常日頃行っていた“酷いイジメ”に対し、見て見ぬ振りをしていた。
あの事件直前、彼は「定時連絡の電話をする」と言う名目でその場を離れ、その直後に刺殺事件が起こった。
だから彼は……自身の行動を訴求されるのを恐れて鈴木良男の頭部を狙い撃ち、真実を闇に葬る事に加担したのだった。
終わり
電波 縞間かおる @kurosirokaede
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