第49話 高みの見物――?
「シモン何とかしろ」
「これ以上は――」
トップオーバカーネ国の山の近く。
その道中で少し前まで綺麗な白いマントをつけていたはずのロマンはなぜか泥まみれとなっていた。
そんなロマンの前では何とか大量の土砂からロマンを守っているシモンがいるが――相手が自然の力という事もありかなり苦労している。
「レティシアはどうした」
ロマンが一緒に来たはずのレティシアを探すが近くにはいない。
「まさか飲まれたのか。シモンレティシアを探せ」
「今は無理です。私のスキルを解いた瞬間飲まれます」
「なんでこんなことに――これも全部山に送った奴がサボった結果か。それより――レティシアどこだ!どこにいるんだ?」
少し前までロマンたちは優雅に新しく開拓していた場所に向かっていた。
何故かというと少し前に何やら川の様子などいつもと違う。
災害が突然続き食物も減る一方。
さらにはレティシアから宝石が全く入らないと聞いて仕方なく自分から動いたのが今の状況である。
しかし山に差し掛かった際。突然前方から流れの変わった(川の決壊が発生)大量の土砂を含んだ水に飲み込まれたロマンたち。
お付きの者は何もできないうちに姿が見えなくなった。
ロマンには幸い鉄壁の守りを使えるシモンが居たのでその場で耐えていたが全く身動きが取れなくなっていた。
また一緒に居たレティシアの姿が見えなくなっていた(実はレティシア普段は自分のことにしか興味がなく。美のことばかり――だったが。もともとは人より強い精霊族のエルフ。戦うことがメインであるので、危険察知はロマンたちよりはるかに上。なのでロマンたちよりかなり前に異変を検知して1人高台に避難していた)。
レティシアの行方が分からないロマンはもちろん焦っていたが。それより自分が動けないことと。ここ数十年このようなことが起こることはなかったのに何が起きてるのか全く分からずシモンに守られつつ混乱するロマンだった。
ちなみに今の状況を作ったのはロマンである。
ロマンがライを島流しにしたことで、そのあといろいろ保たれていたものが一気に崩れたのだ。
しかし原因はいまだに自分が送った部下のサボり――と、考えていたロマンは何とかシモンにするようにしばらく言い続けるのだったが――。
その後しばらくして2人は土砂に飲み込まれることになったのだった。
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