第22話 早期開通実現?
スキルを使ったら1メートルの線路が無事にできました――と、いう現在。
ちなみにスキルを使っただけ。
苦労したこと?特になし。
気が付いたら砂利が現れて――枕木が落ちてきて。その上に線路が乗った。
そしてちゃんと枕木と線路は固定されている。
これならそこそこの重さの列車が走っても大丈夫だろう――と言うことを全く苦労せずに作ってしまった。
これ――作れていいのだろうか?
ってか、枕木。木はどこから出てきた。
というかこれは線路に含まれているのか?わからん。
あと、線路と枕木を固定するのも――まあもうこれで線路なのだろう。
ちなみに線路幅はかなり狭い気がする。
俺は列車というものをちゃんと見たことはないが。
話で聞いたりしていたものはもっと大きそうなイメージがあったが。今の線路ならどうだろうか――あっ、それこそ山奥での生活なら洞窟探検にちょうど良さそうな大きさの線路かと思う。
跨れば余裕で跨がれる線路幅だ。
ということで、1メートルくらいの線路ができました。
俺のスキルポイントは少し減ったが――驚いている間に地道に戻っている。
というか多分もう増えたレベルにそのうちなるのではないだろうか?
「化け物だわ」
「化け物だな」
「化け物です」
「化け物か――」
「お化け――」
「ルネ。どうせなら最後合わせてくれ」
「なんとなく変えた方が面白いかな?って」
「――空腹でおかしくなったか」
「まあお腹はすいた」
線路ができて少し。
まずアドリアンがつぶやくと。マルタン。ミア。チボーがそれぞれ俺を見てつぶやいた。
最後にルネが何やら違うことを言ったが。それは場を和ませようとした結果――でいいだろう。
にしてもまあ何もないところから砂利を出すわ。それの砂利はなぜか綺麗に敷かれるわ。気が付いたら木材。枕木が出てくるは。さらに気が付いたら線路が出てきて固定まで終わるとか――もうそりゃね――化け物かもしれない。
自分でも自分のスキルおかしいだろ。って突っ込みかけたし。
「これ――俺が見える範囲なら何でもできるのかな?」
「ライのスキル――ほんと化け物じゃないか。なんでこんなライが島流しにあってるんだよ」
「そうだよな。これスキルポイント?だったか。ライのそれだけあれば、何もないところで鉄道作れるし――あと建物も建てれるんだろ?町できるじゃん」
「町ってより――国作れるかもな」
「確かに」
「えっと、とりあえずルネが空腹の限界でおかしくなりそうだから――先に食材探し――」
線路で盛り上がるみんな。
さすがにこのままだとルネが空腹でさらにおかしくなる可能性があったので、俺が口を挟むと。そうだなとアドリアンが言ってくれたので動き出す――と、なるかと思ったのだが。
「ねえねえこれライに線路作ってもらって――確か貨車とか出せるんってライ言ってから出してもらってからの方が効率よさそうじゃないかな?」
「確かに。ミアの言うとおりだな」
「闇雲にいつものように食料探して歩くなら。線路のある所だけになるけど歩かないでいい方が楽だもんな」
「ってことで、ライ」
「線路」
「伸ばしてくれ」
「……急にめっちゃ使われる俺のスキル」
「ライ。お腹すいた」
「はいはい。やりますよ。えっと――じゃあまず線路を長くしないとか。
みんなの決定により俺は再度ステータス表を確認する。
《4378690P》
スキルポイントは問題なさそうだ。
さすがに建物は難しそうだが――。
§
――スキル使用時消費スキルポイント――
☆ 砂利。1キロ。10P
☆ ○○。1キロ。500P
☆ 線路。1メートル。1000P
☆ 客車。100000P
☆ 貨車。100000P
☆ 蒸気機関車。 1000000P
☆ 建物。1軒につき。1000000P
☆ 順次解放。
§
こちらの表記も今のところは変わっていない。
「えっと――とりあえずどうしたらいいんだ?小屋の方に向かって作った方がいいか?」
「確かにそうだな。最後は小屋に戻るんだから。小屋ん線路が繋がってないと最後歩くころになるからな」
アドリアンと話しつつ俺はすでにできた線路を見つつスキルを使う。
《4268690》
スキルポイントが減る。
と言ってもやはりスキルポイント数が多いからか。減った感覚はあまりない。
ちなみに今ので十数メートル線路ができるのでは――?と、思いつつスキルを使うと……。
ジャラジャラ……。
ドン――ドン――ドン――ドン――ドン。
ドドン……ドドン。
カンカンカン……。
ドドドドドドド……。
ガンガン。
ジャラジャラ……。
ドン――ドン――ドン――ドン――ドン。
ドドン……ドドン。
カンカンカン……。
ドドドドドドド……。
ガガン……。
勝手に進むわ進む。
にぎやかに初めに作った線路から小屋がある方向へと線路が増えていく。
線路と線路のつなぎ目もしっかり固定されている。
そして俺が線路を敷きつつイメージした通り。
大きな石などがある場合少し避けたいな――などと考えればちゃんとその通りに線路がのびていく。
それはそれは面白いように伸びていく。
何度も言うが俺に特に疲れはない。
しいて言えば線路ができていくところを見守っていれば勝手に線路がのびて言っている。
「おいおいマジかよ」
「ほんとに線路――いや、鉄道作ってるよ」
線路が生まれていくところを見ているマルタンなどが驚きつつ話している。
「まるでおもちゃの線路つなげてる感じだが」
「ライは疲れたりは?」
「全く。考えるだけ――見たいな」
「化け物だわ」
「化け物だな」
「また同じ感想になっているんだが――」
《4148670》
ジャラジャラ……。
ドン――ドン――ドン――ドン――ドン。
ドドン……ドドン。
カンカンカン……。
ドドドドドドド……。
ガンガン。
ジャラジャラ……。
ドン――ドン――ドン――ドン――ドン。
ドドン……ドドン。
カンカンカン……。
ドドドドドドド……。
ガガン……。
少しするとまた小屋に戻ってきた。
そして外がにぎやかだったからだろう。
オロールやアナイス。チアも目覚めて小屋の外に出ていた。
「これは――」
「――」
「すごい線路だ線路。ライが作ってるの?」
寝ていたチアを起こしちゃったか――などと俺が思っていると。よほど線路に感激したのか。無邪気な子供――って、チアの見た目は子供なので年相応の姿でこちらへと小走りでやってきた。
そして驚きがあったからか。チアが先ほどよりも自然と話しているように見えて、それは俺以外の人も感じたのか。みんながチアを見て少し口元を緩めていたのだった。
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