第20話 まさかの初仲間――だと?
《4367590P》
《4367690P》
《4367790P》
何故か勝手に今も増えているスキルポイント。
今まで数千年生きてきて勝手にスキルが増えるとかなかったことだ。
そもそもそんなことがあったらもっと早くからスキルを使えていた。
ってか。だからこの数字が大きいのか小さいのかもうわからない――と言うことはちょっと今は置いておこうか。考えてもわからないし。
「えっと、どうなってるんだ?」
とにかく、何故か気が付いたらスキルポイントが増えていた。
ということに気が付いた俺は慌ててステータス表を確認する。
§
――スキルポイント(SP)獲得方法――
☆ 仲間を作る。10000P
☆ 仲間と交流する。1秒×100P
☆ 不遇な扱いを受ける。 1回ごとに5000000P
☆ ○○な○○を○×。 1人ごとに100000P
★ ○○する。 SP制限解除。
§
ステータス表を見てみると、何やら読めるようになったところが増えている。いつの間に――。
『☆ 仲間と交流する。1秒×100P』
多分スキルポイントが増えているのはこれが原因だろう――。
って待て待て。
『☆ 仲間を作る。10000P』
これも読めるようになってるし。
自然と増えていたから1秒の方に目がいったが。3つ解放。読めるようになっていた。
というか。こうかというべきか。多分獲得方法の条件を満たしているからだろう。こうしてみている間も着実にスキルポイントが変動している。
普通に増えている。
《4367990P》
確実にスキルポイントが増えていた。
獲得方法に表示されているように、1秒ごとに100増えている。だからどんどん増えている。止まることはない。
ということから考えられることは――
「あ、もしかしてみんなと自己紹介して――スキルが認識?した。ここにいるみんなと居る。交流になるのか?だから今も着実にスキルポイントがたまっている――?」
1人でぶつぶつつぶやきながら考えていると。ミアがのぞき込みつつ話しかけてくる。
「つまり今のライは私たちと居るだけで、その――小屋とか作れるスキルポイントが貯まっている?ってこと」
「そういうこと――かな?だからまあ線路とか砂利ならそこそこ出せる――というかこの雰囲気なら一緒に居るだけでスキルポイントが増えているから――無限に今のところ出せるレベル?」
無限に出せるというか。多分とめどなく出せる。
「いや、ライ。それ食べ物じゃないし」
すると、冗談のつもりで言ったら、即突っ込みを入れてきたのは腹ペコ娘ルネ。
もちろん冗談だよ。と、返しつつ俺はステータス表を再度確認する。
「……」
しかしルネがどうも疑いの目で見てくる。
これはルネ。かなり腹ペコでイライラしてきている可能性がある。
あまり余計なことは言わないでおこう。
《4368690P》
にしてもほんとやはり増えている。
スキルポイントが増えだしたら一気に増えているという。
これはこれで後で何かあるのではないか?と、思ってしまう。
なんせ数千年獲得できなかった謎なスキルポイントというのがずっと貯まってきているのだから。
というかちょっと待て。
仲間と交流するというのはわかる。
現に今自己紹介したミアやルネたちと一緒に居るので、そのため交流とみなされてずっとポイントが貯まっているのだと思う。
だからこの獲得項目は、ミアとルネと自己紹介したあたりからポイントを獲得していたのだろう。
ちなみにポイントの増える感じからして、たくさんの人と交流していても1秒ごとのポイント獲得量は変わらないらしい。
誰かといれば。交流していればポイントが貯まっていくらしい。
そしてこの項目により今もポイント増加が継続されているのはわかる。
わかるのだが――。
「仲間を作る。10000Pか」
仲間を作る項目。
これが解放されている理由がわからない。
だってここ数百年は確かに山奥で俺は1人だったが。
それまではその山奥には町――村ともいえるようなレベルではないが。それでも両親以外に同じく山を守る人がいた。
数件だがお隣さんが居たのだ。
それなら仲間を作るということは、もっと前に解放されていてもいいはず。
なのにそれが今解放されているというのが謎である。
もちろん昔から見えたのでは?と、思われるが。多分見えてなかった。
それにこの項目が解放されていたなら、それと同時にスキルポイントを獲得できていたはずなので――あれ?もしかして山奥にいたとき俺は終始仲間と思われていなかった?
ちょっとまさかの事実では――?と、言うことにたどり着いてしまった俺。
「なあライはどうしたんだ?」
アドリアンが不思議そうにミアたちに聞く。
「多分――これだね。『仲間を作る。10000P』」
ステータス表が表示されたままだったので、ミアが指をさしながらみんなに見せる。
そんな様子に俺は自分の世界で自問自答していたため気が付いていない。
「あー、仲間を作るってのが今解放――読めるようになったってことか?」
「だと思う。つまり――」
「あー」
するとチボーが納得という表情をした。
「つまりライは今まで仲間が居なかったってことに気が付いた?って、そんなことあるのか?ライがどこから来たかは詳しくは知らないが――って、そういえばライってなんで島流しにあったんだっけ?」
「チボー。今はいいだろ。それより食料探しに行こう」
「まあそうか。腹減ったし」
「ライ。ライ」
自問自答する俺にルネが声をかける。
「――うん?ごめん自分の世界にいた」
ルネの声で現実に戻ってくる俺。
とりあえず今は俺に数千年仲間が居なかった可能性ということは頭の隅に置いておくことにした。
「食料探しに行くんでしょ」
「そうだった」
「そうだそうだ。まあとりあえず島の浜辺を歩けば何かあるかもだから探しに行くか」
俺の意識が現実に戻るとアドリアンがそういいながら外に出る。
それに続いてマルタン。チボーと男性陣が出ていくので、俺もそれに付いていくことにした。
「私たちも行こうか?」
「動く自身はないかな――」
「ルネ。食べ物見つけないと何も食べれないよ」
「――それは行くしかない」
どうやらミアとルネも男性陣に付いていくみたいだ。
ということで、オロールとアナイス、チアの3人が俺の作った小屋で帰りを待つことになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます