第13話本音
リョウガにバレた…
寝れなかった、こんなこと初めてだった。
バレるとかではなく、バレたことでさきが離れるのではないかと不安だった。
さきは男の元に戻ることもできる、どうすれば彼女が他に行かないのかそれしか考えていない。
「パパー起きてー」
「おはよー一花」
「んふふふー」
寝れなくても朝は来るものだ、まだ今日も一日が始まる。
携帯を確認する、さきからの連絡はない…
連絡を送るべきか悩んでいた時
「朝ごはんいるの?いるなら言ってかってくるから」
「あぁ、大丈夫いらない」
「あっそ、なら支度すれば」
妻は機嫌悪く扉を閉める。
この出来事でさきに連絡をするのを忘れた
仕事に向かう、いろいろな人が絶望や疲れた表情でまちを歩いてる。
この人たちのために俺たちは命のやり取りをしているのかと思うと少し鬱になる…
事務所につきリョウガを探す。
リョウガは喫煙所にいた
「おはよう…」
「おはー、どうしたなんか申し訳ない顔をして」
「いや、昨日の…」
「五月だから、俺は何も言わんぞ?
だけどな、本音で言うとお前が地獄に向かっていることは理解しているだから、同僚として、仲間として、親友として言っておく
この件から手を引け…」
リョウガが言っていることは正しいと思った
しかし、私は思いの丈を全て話した
「さきが好きなんだ…あの子は若いし、未来がある、その未来に俺は一緒にいたい誰かに取られたくないその気持ちがある
まだ出会って間もないけど俺は彼女を離したくない…」
「お前、こんなやつなんだなw初めてみたよお前のそんな顔」
「ごめん」
「謝るなよwお前は悪くないよ、お前の生きてきた環境に俺はいたんだ、お前は誰かのためにしか生きてきてないんだだから少しぐらいのわがままいいんじゃないかな!
ただ…間違えれば全て失うぞそれだけは覚悟しておけよ…」
「わかった…」
初めて本音を言うことができた
その時さきに何も連絡していないのを思い出した
「さき、昨日はごめん…元気か?」
すぐに連絡が返ってきた
「おはよう、もう連絡ないかと思った…」
「ごめん…さき、俺お前に言いたいことある聞いてくれる?」
「言いたいこと?何?」
「直接話したい」
「わかった」
「今日も、いつもの場所で会おう」
「わかった楽しみにしてる」
俺は今日さきにこの思いを伝えて
自分の育ってきた環境、仕事のこと、それらを話をしようと考えた…
この話をするために俺はずっとソワソワしていた…
夜、巡回で難波に向かう
また、欲溜りの町に色変わりな難波だ
「仕事が終わるのが11時だから、それからでいいかな?」
「わかった、待ってる」
巡回中もさきのことしか考えてない
何も進まない、仕事に支障が出るが、
目先のことからやっていく上でさきの事をまず優先していたのだ…
仕事が終わり、さきとの集合場所に着いた
さきはもう待っていた…
「やぁ、待った?」
「待ったけど、会いたくてすぐだったよ」
「ありがとう」
「ホテル?」
「お腹空いてないの?」
「すいてる」
ご飯に行った、こんなことやってると高級店なのかと思ったが
まさかの牛丼だった…
「何食べるかより、誰と食べるかじゃないかなw」
「あ、あぁ」
早々に食べ終わり
ホテルに向かい、部屋に入る
「さき、これから話すことは他言無用で頼むな、
それと俺の本音を聞いてくれるかな?」
「その前に聞いて…
私五月が好きだから、全部受け止めるよ…」
この子はなぜそうやって先手を打ってくるのか
でも嬉しい感情になっていた
「わかった。ただそれは話を聞いた後にもう一度考えてくれ…」
ここから、本音で話をし、建前のなく嘘となく
全てを曝け出す
それが、私の初めてのわがままなのかもしれない…
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