第9話 祝福の力とは

【ミシェル・ラウンデル ステータス一覧】

レベル:1【白ゲージ(経験値)】

振り分けポイント:5

状態:普通

体力:1000/1000【緑ゲージ】

魔力:2000/2000【青ゲージ】

スタミナ:1500/1500【黄色ゲージ】

満腹度:70/100%【橙ゲージ】

生命力:G(10)【体力量】

精神力:G(20)【魔力量】

持久力:G(15)【スタミナ】

筋力:G(10)【物理攻撃力】

健康力:G(10)【物理防御力+状態異常耐性】

技量:G(10)【武術全般の成長力率上昇、様々な要素にプラス補正】

敏捷:G(20)【身軽さ、攻撃速度】

知恵:G(10)【魔法攻撃力】

知識:G(10)【魔法防御力】

運:G(1)【幸運に巡りやすくなる】

根性:F(30)【経験値増加、自然回復力上昇。致命的な一撃を受けた際、まれに神の祝福が発動】


「……なんですか、これ」


『これが今現在、ミシェルの強さを数値化してランク付けしたものです』


「じゃあ、このGっていうのはどの程度の位置になるんでしょうか」


『もちろん、最低ランクに決まっているじゃありませんか。さすがE級ハンター。軒並み最底辺の数値ですよ。これは、さぞ鍛錬が楽しいことでしょう』


声色からしてカイネはいま、満面の笑みであることは間違いない。


それにしてもE級ハンターだからしょうがないかもしれないけれど、まさかEよりさらに低ランクのFとGを与えられるなんてちょっとくるものがある。


「あれ、ちょっと待って」


ステータス一覧を見て、とある違和感があった。


「この運G(1)って何かの間違いじゃありませんか。いくらなんでも低すぎます。こんなに運が低かったら、そもそもクソ神やカイネに出会えていないかと」


『あぁ、それは不運というやつですね』


「ふ、不運ですか」


首を傾げて聞き返すと、すぐにカイネの返事が脳裏に響く。


『ミシェルは、決して持って生まれた運が悪いというわけではありません。しかし、貴女の因果律は不運に天秤が大きく傾いているのでしょう。そもそも不運でなければ、質の悪いS級ハンターにダンジョン最奥で見捨てられた挙げ句、神々の中でも性格難……失礼。変わり者のネルヴィアに出会えるわけがありません』


「う……⁉」


鋭い指摘が心を深くえぐり、私はがっくりと項垂れた。


運の良いとされる人であれば、確かにこんなことにならない。


私の現状こそが『不運』の証明である。


カイネはやっぱり冷淡かつ冷徹だ。


『唯一のFランクは根性ですか。不運にもへこたれず、今までやってこられたのも納得ですね』


「……どうも」


口を尖らせて顔を上げると、私は「それで……」と切り出した。


「この振り分けポイントって、あれば数値をいじれるんですか」


『お察しの通りです。ポイントを振り分けることで、ミシェルが望む強さを得ることができるでしょう。そして、振り分けポイントは、ミシェルのレベルが上がることで得られます。レベルは敵対する相手を倒したり、トレーニングをしたり、己自身を鍛錬することで得られる経験。いうなれば経験値が一定以上になると上がります』


「つまり、私は経験値を得られる行動をし、レベルを上げ続ければ際限なく強くなれる、というわけですね」


敵対する相手を倒すってことは、対象は魔物でも人間でも問題ないということでしょうね。


あと、強い人と立ち会い稽古とかでも得られそう。


あと、読書や勉強とかも対象になるかもしれない。


地上に戻ったら、いろいろと試してみたいわね。


『はい。しかし、倒す敵が弱すぎたり、自身の強さに合わないトレーニングでは経験値を得ることはできません。常に高みを目指すことが、強くなれる最短の道となるでしょう』


「わかりました。じゃあ、早速振り分けてみたいんですが、どうすればいいんでしょうか」


『では、振り分けポイントを触ってください。その後、振り分けたい項目を選ぶのです。決定後、振り直しはできないのでご注意ください』


「あ、そうなんですか?」


振り直しができないとなれば、何にどう振るのかはよくよく考える必要がある。


でも、まずは身近で効果を実感しやすいもので試す方向でいくべきね。


「じゃあ、これとこれに振ります」


【ミシェル・ラウンデル ステータス一覧】

レベル:1【白ゲージ(経験値)】

振り分けポイント:0

状態:普通

体力:1100/1100【緑ゲージ】

魔力:2000/2000【青ゲージ】

スタミナ:1500/1500【黄色ゲージ】

満腹度:70/100%【橙ゲージ】

生命力:G(11)【体力量】

精神力:G(20)【魔力量】

持久力:G(15)【スタミナ】

筋力:G(11)【物理攻撃力】

健康力:G(10)【物理防御力+状態異常耐性】

技量:G(10)【武術全般の成長力率上昇、様々な要素にプラス補正】

敏捷:G(20)【身軽さ、攻撃速度】

知恵:G(10)【魔法攻撃力】

知識:G(10)【魔法防御力】

運:G(4)【幸運に巡りやすくなる】

根性:F(30)【経験値増加、自然回復力上昇。致命的な一撃を受けた際、まれに神の祝福が発動】


『なるほど。まずは実感を得やすい生命力と筋力に振りつつ、運の改善を図っていくわけですね』


「そうですね。E級ハンターの私は、自分で言うのもなんだけど非力ですし。運を良くすることは、現状だと最優先事項です」


せめて、根性と同じぐらいには幸運を上げてから他の部分を上げていきたい。


どんなに頑張っても、運が悪かったらどうにもならないことなんて日常茶飯事だし。逆に頑張れば報われる運を持っているなら、いくらでも頑張れると思うから。


【メニュー画面】には、ステータスで解放される項目もあるから最初はまんべんなく上げていくのが良いのかもしれない。


でも、攻撃魔法が使えない私の場合、魔法攻撃力が上がる『知恵』という項目だけは解放条件を満たす部分で振り分けは止めていいかも。


意外と考えることが多くて、ちょっと楽しい。


そう思った時、ふと『根性』の説明文が気になった。


「ところで、致命的な一撃を受けた際、まれに神の祝福が発動ってどういうことなんでしょうか?」


『言葉通りでございます。絶対ではありませんが、不意を突かれて致命傷を受けた時に神の祝福が発動すれば、何かしらの代償は伴うでしょうが命は助かるというものです』


「何かしらの代償、ですか。致命傷を負わないことに越したことはないですから、神の祝福が発動しないように立ち回るようにします」


致命傷を受けるということは、死ぬ寸前という状況のはず。


わざわざ効果を確かめるため、死ぬような真似はしない。


そもそも、死ぬような状況に陥りたくないし。


『はい、それがよろしいかと。では、次に武術の項目をご説明します』


カイネの言葉に従うまま、私は武術一覧の項目を開いた。


【武術】

杖術:F(レベル2)

短剣術:G(レベル1)

体術:F(レベル2)


『武具と鍛錬の祝福によって、ミシェルはすべての武具を扱える才を得ました。新しい武具を扱えば、こちらの項目に追加されるでしょう。しかし、武具の扱いも鍛錬しなければなりません。同じ武具を使えば使うほど、こちらも経験値を得てランクとレベルが上がっていきます』


「わかりました」


杖術はいつも補助魔法を使用する関係で杖を扱っていたし、体術もE級ハンターになるための研修で習ったことがある。


短剣は使ったことないけれど、多分、ネルヴィアと出会う直前に腐ったドラゴンの目に短剣を突き刺したことが関係しているんだろう。


あの短剣、アウラとレイチェルからもらったものだから地上に戻るまでに何とか回収できればいいけど。


カイネの説明はその後も淡々と続いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る