第4話 魔王軍襲来!
武器開発から三ヶ月、武器、機体は量産され、M1ライフルは1万丁、M1マシンガンは1000丁、CEW-1通信機は800台、CEL-1通信機は1500台B1爆撃機は700機、F/A1戦闘攻撃機は1100機製造され、空軍基地が建設され、また鉄条網による防御陣地が構築された。そして、偵察機として運用されていたとあるB1爆撃機から入電が入った。
「ワレ マオウグン チジョウブタイ ハッケン マジュウニノッテオリ ワイバーンモ カクニン アト ヨッカデ セッテキ チュウイサレタシ」
そう、魔王軍がついにやってきたのである。しかも航空戦力のおまけつきだ。まあ、費用面と性能面で言えば航空機の圧倒的勝利なのだが。
~~そしてしばらくの後
「勇者様! 魔王軍のワイバーン隊が防空圏に突入しました!」
「よし、戦闘機隊を発進させろ!」
「わかりました! 空軍基地の即応機450機、発進させます!」
ここに、この世界初の空中戦が幕をあけた。
~~~現場視点
「こちら指令室、我が軍は速度において有利である。よって無理に攻撃を続けず一回攻撃したらすぐに離脱せよ。」
どこか不自然な人口音声と響き渡る風切り音が流れてくる。
「隊長、指令はなんでこんなに臆病なんですかね~ こっちは魔法みたいなのを連発できる装置が4つもついてるのに。」
「おいおい忘れてないか? 俺達は今まで一匹もやつらを落とせてないんだぞ? そりゃ臆病にもなるだろ。」
「まあそうですけど......」
「とりあえず安全に敵を落とすのが最優先だ。それを考えれば指令は的確なことをいってるぜ」
「......敵を発見! 繰り返す、敵を発見! 下方11時の方向!」
「よし! 全機突撃だ! 一匹残らず撃ち落とせ!」
~そのころの敵兵
『隊長! なんかこっち来てます!』
『そんなバカなことがあるわけないだろう? 向こうはワイバーンなど飛行魔獣を持ってないんだぞ? どうやって空を飛ぶんだ?』
『じゃああれは何なんですか!』
敵兵は空を指した。
『なんだあれは!』
「発砲開始!」
ズダダダダダダッ
空気との相互作用で熱せられた空気の衝撃波が大気を伝わって行く。
『クソッタレ! 何人やられた!』
『少なくとも400人はやられています! 部隊の戦力の一割を喪失しました!』
『なぜだ! 今まであんなものなかっただろうが! とにかく反撃だ! また攻撃を仕掛けてきたら反撃しろ!』
『『『『イエッサー!』』』』
「反転してもう一回攻撃だ! やつらを根絶やしにしろ!」
戦闘機隊が急旋回し、もういちどワイバーン隊に接近する。
『来たぞ! 撃てぇ!』
ワイバーン隊は懸命に反撃した。しかしそもそも対空攻撃を意図していない射手による手動の単発の魔法では命中するはずもなく、その上高を括って装甲も一切ないとあらば......
『クソッ、ダメだ! 勝てん! 引き返すぞ!』
こうなるのも必然である。しかし速度差がありすぎた。およそ5~8倍の速度差ともあらば逃げることはほぼ不可能であった。
「逃がすな! 皆殺しだ!」
――2時間後、空に残ったのは戦闘機隊だけであった......
「勇者様、やりました! ワイバーン隊全員撃墜です!」
「よし! 次は敵地上部隊に対する爆撃、そして削りきれなかったものを鉄条網と機関銃陣地で封殺する。また重装甲な目標は急降下爆撃で撃破だ。人類側は度重なる敗北で人員不足だ。犠牲を出すんじゃないぞ!」
「了解しました!」
~~一方、敵軍司令部は......
『なに! 我が無敵のワイバーン隊が全滅だと!? なぜいきなりそんなことになった! 今まで損害は無かったではないか! おかしいだろう! いきなり全滅だなんて!』
『それが敵軍が空を飛ぶ兵器を開発したようでありまして...... どうやら風魔法による伝言によると恐ろしく速かったようでして......』
『ええい、もはやそんなことはどうでもいい。問題は今我々は丸裸になったということだ! だれが地上部隊を援護するんだ!』
『......』
『クソッ、敵は飛行する手段を持っているのであろう? これでは我々が今までの敵軍と同じ状況になってしまうではないか......』
「次は爆撃だ。ワイバーン隊を壊滅させたことで制空権はこっちに移った。こっちにつくまでのあと4日、全力で敵地上部隊の数をへらせ! 第一次攻撃隊はB1-第一臨時水平爆撃隊320機、F/A1-第一臨時急降下爆撃隊400機を発進、爆弾を安全搭載量の限界まで搭載しろ!」
「了解! 命令を空軍基地に送信します!」
空軍基地を発進した第一次攻撃隊計720機は敵地上部隊に接近、爆撃を開始、水平爆撃隊は帰投、急降下爆撃隊は機銃掃射の後帰投した。
その後第二次、第三次と爆撃は続き、第二十六次爆撃まで敢行され、投下された爆弾の総量は6500トンを超えた。
しかしその圧倒的な数によってまだ多くの敵が残っており、3日後の夜にはすでに絨毯爆撃ができないほどの距離まで接近してきたのである。
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