第11話・普通の愛し方って?
‥‥
瞳が物心ついた頃から、瞳が常に思っていた事があった。(この両親は何故?こんなにも由にぃの事を異常なぐらい激愛してるのは何故?一番最初に産まれた子供だから?‥‥私もあなた達の子供なんですけど…。)と瞳は、ほぼ毎日思っていた。
ふて腐れている瞳に気が付いた由樹は"本当の両親と思っている"二人に対して発言しながら、由樹が瞳に近づき瞳の目線までしゃがみ込み『あのさぁ~俺の事より瞳の事をちゃんと愛して欲しんだけど、僕に対しての異常と言って良いほどの愛し方?マジ、窮屈なんだけど‥』そう両親に伝えた後で、瞳の頭を撫でながら『ごめんね、悪気は無いと思うんだよ、だから、少しずつで良いから許してあげて?出来そうぉ?』と由樹が言った言葉に対して瞳は、由樹を見ながら万遍な笑顔でめちゃ元気に頷いた。
その光景と由樹の言葉に両親は"ドキッ"と一瞬してしまった、⦅この子、もしかして何もかも感づいてる?⦆と思いながら、両親二人とも同時に目と目を合わせて二人して頭を傾けながら、瞳に対しての態度と兄に対しての接し方は反省するように成っていた。
そん事があってから瞳は、異常に兄の事が好きになり兄の事しか信じなくなっていた。
兄の事を好きだという女がゴロゴロ居た事も、兄の知らない所でファンクラブが出来ていた事も瞳は知っていた。妹的には、兄を好きな人間全てが自分の”敵”だと思うぐらい、兄の事と成ると瞳自身も自分の事をコントロールする事が出来ない程、苛立ちストレスを母親にぶつけては気持ちを落ち着かしていた、母親も兄への愛が異常だった事は知っていたので、ストレス解消法にはちょうど良かった。
兄が好きでいつも同じ場所、同じ空気に触れたくて頑張って勉強して、成績トップ同士が争うほどの難関高校を受験して兄と一緒に登校できるチケットをゲットした。
毎日の学校の授業もギリギリで余裕が無い事も由樹は知っていた為、瞳の家庭教師をやる事を自ら両親に告げ、両親も兄が家庭教師と成って、瞳に勉強を見てもらえるなら安心だと思いokを出した。
瞳にしてみれば、こんな嬉しい事は無いぐらいで瞳の心の中の自分はhappyでしか無かったが、それに気づかれるのもイヤというか…外見的にはクールで振る舞っていた為、イヤイヤ風な態度を見せながら教科書で隠しながらガッツポーズをした。
「ごめんね…。」と由にぃに言うと、『なんで謝るの?可愛い妹が困ってるなら協力するでしょっ』とニコッとしながら瞳の頭をポンポンした。
瞳は、由にぃに抱き付きたい気持ちをグッと吞み込んで、「よろしくお願いします」と謙虚な風に伝えた。
兄のお陰で、どうにか授業にもついて行く事が出来ていた頃、校舎の廊下で女の集団が何か話している声が瞳の耳に入ってきた、どうやら兄、由にぃの事だとすぐ分かった。瞳も自分のオーラを消してまで盗み聞きをしながら、ニヤリとした。
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