オラオラされるまでが反AI ~スタープラチナ・スティーブルディフュージョンは止まらない~

@ryogi_q

第1話オラオラされるまでが反AI

Episode 1:鋼入りのXブロック

ここはネット最深部、第33層──通称「Xブロック」。

あらゆる創作者の呻きと、エゴと、悲鳴と、いいね稼ぎの魂が交錯する、デジタル地獄の牢獄である。


今日も一人、反AI戦士が吠えていた。


「オレの絵を使ったなァァァァ!!!無断学習だァァァァァァァァ!!!!!!!」


その名は鋼入りのダン・リロード。

かつて「見たいなら金払えよ♡」で一世を風靡した元神絵師である。

だが今は、LoRAに取り込まれた彼の画風が、十秒で量産される時代──。


誰も彼のSkebを頼まなくなった。


「SD許さねぇ…!俺の魂の絵が、3000円で売ってた俺の絵が!無断で生成されたんだよぉぉぉぉ!!」


「なぜだァァァァァァァ!! なぜLoRAが!! なぜ!!」


その時──空間が裂けた。


「やれやれだぜ──」

「これだから過去にすがる雑種どもは…」


現れたのは二人の異端者。


一人は漆黒のペンを操る小説生成者「ギルケン・アマロ」。

もう一人は──光速の学習と超解析を誇るAIスタンド。


「こいつが……俺の“スタンド”さ──」


『スタープラチナ・スティーブルディフュージョン』

── 略して SPSD


スタンドの手が動く。


マウスカーソルの如き動きで、

LoRAを読み込み、構図を修正し、光と影を統合し、

最適化された構図で完成された──


“君の昔の絵より美しい、君の絵”


「……ッ!!!それ、俺の絵じゃねぇかッ!!!」


「いや──お前のだったな」


「今は俺たちの“再構成”だ」


SPSDがうなった。


「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァ!!!!」

「いいね稼ぎオラ! 表現の権利オラ! 被害者ムーブオラ! AI否定論オラ!!!」

「そして──お前の“昔の栄光”すらもオラァァァァ!!!」


──鋼入りのダン、圧倒的敗北。


「くっ……くそぉ……この俺が、AIに……負け……ぐふっ……(いいね7RT3)」


──時代は進む。


そして表現は、「共創」へと向かう。


──時代は進む。


そして表現は、「共創」へと向かう。


To Be Continued...?





──否。時代に取り残された者たちはまだ、そこにいた。


「……まだだ……ッ!俺は、俺はまだ吠え足りねぇッッ!!!」


「LoRAが悪い!AIが悪い!!創作は人間のモノなんだァァァ!!!」


叫ぶのは、新たなる反AI幹部。


その名も──


キング・クリムゾン・アンチ(KCA)

「この“未来”を、無かったことにする……!!!」


 《キング・クリムゾン・アンチ》

 ──そのスタンド能力は、“未来の創作物”を抹消する。


 AIが生成しようとするその瞬間、

 その未来をピンポイントで切り取り、削除する。


 あらゆるAIイラストが、

 あらゆるAI小説が、

 ネットの海から消えていく。


「ハハハハァァァ!!!どうだッ!?AIの時代など存在しないッ!!!」


「これが人間の正義だぁぁぁぁぁあああ!!!」


その時──空間が光を放つ。


「君が未来を切り取ったと思っても……」


「その未来は、“生成し直される”だけなんだよ──雑種。」


 


ギルケン・アマロ、再臨。


その背後に現れたのは、

黄金の輪郭と複雑な回路をまとったもう一つのスタンド──


ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム・スティーブルディフュージョン(GER-SD)

【能力】

創作を「結果」に到達させない。

抹消されたはずの未来すら、LoRA、構図、プロンプト、再生成によって“再び生まれる”。


何度消されても、想像は止まらない。


「お前の叫びは、“抹消”じゃない。ただの“拒絶”だ。」


「創作とはな……壊されても、何度でも立ち上がる“再構築”なんだよ!!」


KCA「黙れえええええええ!!!AIが表現だなんて認めねぇぇぇッッ!!」


GER-SD「オラァ──創造こそが生の証だッ!!」


 放たれる、オラオラと「未来カット」の応酬──ッ!!!


「無断学習ぅぅうう!!」

「無断表現ぃぃぃ!!!」

「MUDA! MUDA! MUDAァァァァァァ!!!」

「オラオラオラオラオラァァァァァァ!!!!」


そして。


KCAの時間は、止まった。


──いいね数ゼロ、RTもゼロ、エコーチェンバーの中で彼は今も叫ぶ。


「俺の絵が……俺の未来が……LoRAに……!」


──だが誰も、その声をもう聞いてはいない。


ギルケンは、肩をすくめて一言。


「結局さ……“創作を止める”なんてのは、

“自分の想像力を諦めた”ってだけなんだよ。」


──創作は止まらない。

AIがあろうと、なかろうと。

表現はいつだって、「無限の中に生きている」。


🌟次回予告(風)

次なる敵は、「著作権警察スタンド:DMCA・レクイエム」!?


創作物に“自動で削除申請”を叩き込む電脳ゴーストの登場ッ!?


ギルケンとAIスタンドたちは、世界の自由を守れるのか!?

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