第5話 働きすぎだからと寝たらなんか仲間ができた話

月に着いたはいいのだが、神殿これはなんだ。デカすぎるだろ


「あ、来ましたね。では早く行きましょう」

「改めてよろしく」

「はい、では行きます。《次元大門ディメンションゲート》」

「あ、そうだ。この門の性能見てもいい?」

「いいですよ。ですが、鑑定系のスキルは持っていなかったはずでは?」

「今取得するつも―――」



―――――ピコン♪♪


「――り?」



[スキル《鑑定[1]》を取得しました。9SP使用、《鑑定》のスキルレベルがMAXになりました。魔眼スキル《千里眼[1]》を―以下略。魔眼スキル《誕生の魔眼[1]》と《終焉の魔眼[1]》を―以下略。スキル《鑑定[10]》《千里眼[10]》を統合進化、スキル《天眼[1]》を―以下略。魔眼スキル《天眼[10]》のグレードアップを申請。承諾。魔眼スキル《天種の魔眼》へグレードアップしました。魔眼スキル《誕生の魔眼[10]》と《終焉の魔眼[10]》をグレードアップを申請。承諾。神眼スキル《神創眼》と《神殺眼》へグレードアップしました]


「え、なにこれ。なーぜなーぜ?」

「フォレス、もしかしてスキルを自動で取得するようなスキルをもってる?」

「うーん。覚えてない。まあいっか。《鑑定》」


=====

名称:次元大門ディメンションゲート

説明:【時空】の聖女がレベル上限を突破することで習得することが出来るスキル

スキル等級:SSS

属性:【時空】【次元】

=====


「………レイ、聖女超えてるのか」

「はい、と言ってもレベルの"上限"が無くなっただけでレベルはもうほとんど上がらなくなっちゃいましたけどね」

「あー、レベルが上がるための経験値って、レベルが高ければ高いほど上がってくんだっけ?」

「そうですよ。と言っても、その法則すら通じないのもいるんですけどね」

「え、そんなのもいんのかー」

「そうですよ。ふふっ」


さて、そんなこともあったけど無事世界を渡ったのだが……


「ねぇ、もしかして次元大門ディメンションゲートって世界を渡るだけで座標は変わらない系?」

「そうですね。ですがそのおかげで神々に気づかれないんですよ?」

「おーすごー。にしても、どんな世界?」

「……っ―――」

「?どうかした?」

「い、いえ。なんでもありません。この世界は確か、カガクというものが発展しているんですがこことはまた違った世界の神、いわゆる邪神の類のものが干渉しているようですね。ですが、この星は三年後に、そしてこの世界は八年後に邪神によって支配されます。そして、外界神が世界ごと邪神を消すでしょう」

「ふーん、なんか、興味が湧かないなぁ。でも、なんだろう」

「どうかしました?」

「なんか、がする」

「そうなんですか、ですがこの世界は――――」


―――――けて


「消える運命にあります」

「…………そうか」


―――い


「……………あぁ、"胸糞悪いな"」

「え?」

「誰にですかっ!」

「わからない、でも行かなきゃ行けないんだ。展開|雷鳴纏いし神の衣《ライトニングアーマー》そんで、目覚めろ!神の毒気を消し去る神剣よ《布都御魂フツノミタマ》」

「無理です、私たちは部外者なんです。部外者は干渉できないんですよ!」

「ああ、でももし、もし、、、僕がこの世界を知っているとしたら?僕がこの世界で一度生きていたらどうなる。僕は、自分がわからない。誰なのか、転生したくせに自分の前世の名前がわからない。でも知識だけは持ってる。これはおかしい事だろ?なら、いま僕がやりたいことをやるんだ!」


―――――ピコン♪


[《旅の行先に待つ魂の記憶トラベル・ソウルメモリーズ》の第一条件、《決意》を確認。記憶の一部が解放されました]



その瞬間、様々な情報が頭の中に入ってきた。それは1人の人生、あるいは命の灯火……忘れていた記憶の一部が確かに戻った瞬間であった


そのまま、呼んでいる声に向かって加速した

見送ったレイの顔が泣きそうなことにも気づかずに………


***


「さあて、お楽しみの時間のはじまりはじまりー♪」

ピエロの格好をした男は傷だらけで縛られている女に言った

「パーティーを始めようか。パッパラパー」


その言葉と共にガタイのいい黒服の男達が入ってきた。そしてその中心にはやたら豪華な装飾が着いた服を着ている男がいた


「よくもまぁやってくれましたね。"魔剣使い"スーリヤ。どうせ起きているんでしょう?このわたしの計画を何度も邪魔しおって、お前は性奴隷にしてやる。光栄に思うんだな」

「ちっ、下郎め!貴様らの行いはもうおしまいだ!私の仲間が潰しているはずだ。どの道私の勝ちだ」

「ぷぷっ、ぷぷぷーーーー。あっははー、ばかだー、ぷくくく、そんなお仲間さんはもうこの世に居ないか、人としての尊厳なんてもうなくなってそうだけどうねー。あっはははははは」

「そんなこと言いきれないでしょ!」

「いんやー、いえるよー。あっはは、だって作戦終了って来たからねー」


ピエロは面白そうに笑う、そんな日々が続きスーリヤは少しずつ疲弊していった


―――

――


スーリヤはもう衰弱していき、さらに拷問に調教の類もされ、違法な薬の投与も進み、心はもう、折れていた


そんな中、突如建物が揺れた

爆発音に警報が鳴り響く

牢屋の外から声が聞こえた


「リーダー!急いでここから脱出しますよ!」

「カノン?」

「そうですリーダー!みんなやられました。私は何とかみんなが逃がしてくれて………」

「カノン、私は……私のせいで――――」

「リーダー、それは違います。私たちはリーダーに助けられたんです。だから私たちはリーダーのために命をかけるんです。さ、急ぎますよ!」

「え、えぇ、っ!伏せてっ!」

「っ!《ウインドシールド》っ」


風の盾が2人を守るが盾にヒビが入って壊れかけていた


「この威力、ピエロかっ!」

「せっいかーい!ぷぷぷ、まだ逃げられると思ってるの?残念な頭だね、ぷくすくす」

「ピエロッ!《ウインドカッター》」

「くすくす、《ポイズンアロー》」

「そんな」

「聞くわけが無いだろう?だって僕は神の毒『ハラーハラ』を使うんだからその程度の微風に負けるわけないじゃん。ぷーくすくす」


「っ!?ゴホッゴホッ」

「カノン!これは、毒……」

「そうでーす。あーあ、かわいそーに。あなたを助けに来なければその子はにならなかったのに、ざんねーん」

「カノン......やっぱり私は―――」

「ふ、っざっけんな。これは私の意思だ!それを道化師が語るな!《ウインドファング》」

「ぐわー、いったーい。でもざんねんでしたー」

「くっ」

「あれあれ?威勢だけは強いねー、でももう終わりにしよう。《竜殺しの神毒ドラゴニックポイズン》」


毒が肺を、目を、肌を通して体をじわじわと死へと引っ張っていく


「カノン!もういい、あなただけでも逃げて。私は何とかするから」

「ゴホッゴホッ、、、、私、、、たちは、、、、、リー、、、、、、、ダーについ、、、、て、、いきま、、、、、、、、、、、す」

「カノン!カノン!」

「あーあ、もう喋れないねー」


「黙れっ!命でもなんでもいい、助けて」

「ざんねーん、助けは来ないよーん」

「だれかぁ.....」

「あーらら、泣いちゃった。でもいいねぇもっともっと泣き顔を見せ――――ブベラッ」


ピエロは突如現れた男に蹴り飛ばされた


「いっぺん死んどけ、ゴミ野郎」


スーリヤはこの時初めて、自分にとっての英雄ヒーローに出会った。スーリヤは気づけば願いを言っていた


「お願い、命でもなんでもあげるから.....カノンを助けて.........」


「切り裂け!《布都御魂フツノミタマ》っ!」


その言葉と共に剣を振り、さっきまでのが嘘のように毒が消え、顔色がみるみる良くなっていく


「収納。起きろ!《天叢雲アマノムラクモ》!」

持っていた剣をどこかへしまうとそのまま新しい剣、いや、刀を持っていた

スーリヤはすぐにわかった。日本の刀、日本刀であると


「自動戦闘補助、起動」

ボソリと何か言った後に、消え、気づけばピエロの真後ろへと移動していた


「《螺旋焼斬》」

日本刀が赤く燃え上がり、赤から黄色、そして青へと瞬時に変わり、螺旋階段のように回転しながらピエロを切り刻んだ


「やっぱり、知ってる。いつだ?これは....」

スーリヤの英雄ヒーローが何か言っているが気が抜けたことによりとてつもない眠気に襲われ、そのまま気絶するように眠った


***


ふむ、とりあえず寝るか

その場にお布団を用意し、そのまま布団に潜る


うん、最高の寝心地だ

おやすみー


――――ユサユサ


「むにゃむにゃ」


――――ユサユサ


「むにゃむにゃ」


――――ユサ―――――バチバチ


「むにゃむにゃ」


――――ゴロゴロドッカーーーーーーーン


「むにゃ?すやぁ」


――――ちょっとダメだよ。それはさすがに……

――――起きないのが悪いのよ


――――ババババババババッ


「すやぁ」


――――なんなのこいつ💢

――――梓ちゃん!?さすがに魔攻銃はダメでしょ!

――――でもこいつ無傷だけど

――――だとしてもだめだよ!


「むにゃむにゃ」


――――ほらこいつ寝てるでしょ

――――うーん、寝たフリかも


――――ゲシゲシ


――――ほら、寝てるわよ

――――梓ちゃん。いくらなんでもさすがに寝てる人を踏むのはちょっと………

――――ふーん魔攻銃で無傷のやつが人間ねー。化け物の間違いじゃないの?

――――でも対話できるかもだし……

――――相変わらず皐月は秋人と同じ希望的観測な考えね。そんなんだから秋人は死んだの!悪いとは言わないわ。でも、そんな考えのままじゃ皐月、あんただって死んじゃうの……お願いだから、もう、私の近くから居なくならないで……

――――…………ごめん、梓ちゃん


「すやぁ」


――――「「・・・・」」

――――こいつ起きてるでしょ


「(ギクッ)」


――――あー、こんなところに戦車がー(棒読み)


「すやぁ(なんだ戦車か……)」


――――💢

――――梓ちゃん!?

――――こいつ、焼却炉行きよ

――――梓ちゃん、さすがにそれはちょっと……(引)


「すやぁ(二度寝しよ)」


――――じゃあ、この布団をズタズタに……


「それだけはやめろぉ!!!」

「あ、起きた」

「あんた、よくも寝たフリをしたわね」

「あっ」


黒髪ツインテの少女がその体の倍以上ある大鎌を振り上げた


「〈断罪の死神コンビクト・レイズ〉」

「ひょあっ、あっぶね、ちょちょちょ」


そこにできたのは大鎌を振り回す少女とそれを危なげに全て避ける少年の構図が出来上がっていた

2人の少女を呼びに来た人はそれを見てこう思った


「(なにしてんだこいつら)」


ちなみにその後2人揃ってお説教を受けたらしい


+++


「あんたのせいで説教くらったじゃないの!」

「知らんがな」

「まあまあ、梓ちゃん。こっちだってかってに連れてきちゃったんだよ」

「うっ、そ、それはそれ!」

「帰ろうかな……」

「まさかあんた帰れると思ってるの?」

「逆にできないとでも?」

「2人ともいい加減にして……。これ以上はさすがに怒るよ」

「「ごめんなさい」」

「よろしい」


それから数時間後、皐月の進言によりフォレス、梓、皐月の3人がパーティになるが、それでまた喧嘩が起きて説教されるはめになったらしい



「「誰がこんなやつと組むかっ!」」


仲がいいんだか悪いんだか分からない2人であった

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転生する時に女神様に「ずっと寝ていたい!」と駄々をこねたら要塞に転生した 猫助 月 @alsanfps

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