第5話
幸繁は燃料の補給装置を作れるだけの資源が集まったのでAIに作るように指示を出す。
AIは指示に従って燃料の補給装置の作成をはじめた。
「さて。出来るまでどうしよう?」
現状、特にすることもない。
燃料を節約しなければならないのでこの近辺の調査をするわけにもいかない。
燃料の補給装置を設置して戻ってくるだけで燃料はかつかつの状態だった。
「とりえあえず。寝とくか」
燃料の補給装置が出来れば寝るまも惜しんで作業をすることになる。
それを考えたら寝ておくのも選択肢としては悪くないだろう。
「せめて娯楽は何かあればな・・・」
思わずそう言ってしまう。
必要な物をぎゅぅぎゅぅに詰め込まれた結果、娯楽の類というものが何1つなかった。
活動のことを考えれば正解だが、人間はそれだけではしんどいのだ。
音楽が1つ入っていればまだ違ったのだが・・・。
「ない物ねだりをしても仕方ない」
幸繁は大人しく横になるとすぐに眠ってしまった。
「ふぁ~ぁ。よく寝た」
幸繁は食事を取りつつ燃料の補給装置の進捗状況を確認する。
幸いなことに燃料の補給装置は完成していた。
「よし。これで少しは燃料問題が解決するな」
食事を終えた幸繁は燃料の補給装置を宇宙船に積み込み設置する為に宇宙船を発進させた。
目的のガス惑星は近いのであっという間に到着する。
設置するのに最適な場所をAIが示してくれたのでそこに燃料の補給装置を設置した。
「戻ってもすることがないし、どれぐらいのペースで生成できるのかを確認しておくか」
燃料の生成速度は予想通りといったところだった。
「うん。これなら活動に問題はないな」
幸繁は少しだけ生成された燃料を補給してからベースとなっている場所へと戻った。
「さてと・・・。可住可能な惑星を探すのも大事だけどそう簡単に見つからないしな」
可住可能な惑星を探すのが目的だがそう簡単に見つかるなら誰かがとっくに発見している。
「そうなってくると活動しやすいように設備を充実させるのが第一か」
特に課題となってくるのが食料問題だ。
水は完全に再利用できるからいいが食料はそうもいかない。
最終手段はあるにはあるができればお世話になりたくない。
「確か、ステーションでも植物の栽培はしてたよな・・・」
ステーションで作れるなら箱さえ用意できればここでも栽培できる可能性はある。
「となると資源が足りないな。次は資源の生成速度をなんとかするか」
幸繁は調査した場所から資源が豊富そうな場所を調べる。
「うん。丁度よさそうな場所があるから採掘ツールを量産するか」
何にしてもやることがあることはいいことだ。
暗くなっているよりは前進していると思えれば気持ち的に楽になる。
幸繁は方針を実行する為に動きはじめた。
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