第33話 ハカセ(Ⅲ)

 一体何なんだ? 俺達は……

「本来、ホモ・エレクトロニクスがクラウド、ネットワーク世界から抜け出し、物質世界で活動する為の分身アバターとして誕生したのが『超人オーバーマン』。つまり君達だ」


「貴様が、オヤっさん達を自爆戦闘員に仕立てあげたのか?」

「まぁね。でもちょっとだけ違う。自爆戦闘員に選別されたのは本来処分されるべき存在、エヴォピンクやA109号を含め、「コムニス」によって元から処分予定だった者達だ。俺等はその計画に介入し、彼等を自爆戦闘員に仕立て上げただけ」


「貴様」

「おっと、いま君仲間を助けようと考えているでしょう。全てを救うおうとするのは良くないよ、旧人類(ホモ・サピエンス)、ん~~~~ニンゲンの「傲慢」が成せる事。君は死の運命から二人の少女を救った、それだけでも十二分に満足でしょう? カッコいいよ。まるでマンガの主人公みたいだ」

「貴様ァ!」


 頭上で少し大きな爆発音。頭上から砂が降ってくる。


「おっと、地上、戦場ステージでは「修正」が入ったみたいだ『コムニス』の意思も完全に統一されている訳では無いんだよね。人類ニンゲンと同じさ、様々な考え方や立場が存在する、聖典の秩序を維持したい勢力が聖典シナリオ通りの物語に修正しようと行動開始したみたいだね」


 ハカセは立体映像ホログラムで映しだされている地上の様子を見つめていた。


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