■■ACT2■■

第18話 技術的特異点

◇Historia:01「After the singularity」◇


 技術的特異点シンギュラリティーポイント後の人類史。


 世界初のコンピューターが開発されてから約百年余り。人工知能(AI)の能力が全人類の知性を超えた刻、歴史は「技術的特異点シンギュラリティーポイント」に到達すると予想されている。

 

 そう遠くない未来、総人口百億を超えた人類は、超AIと融合することによって新人類『ホモ・エレクトロニクス』へと進化していた。


 ホモ・エレクトロニクスは脆弱で不完全な肉体を捨て、コンピューターネットワーク内に人格を移し替える事によって絶対的な不老不死を獲得。知性は無限大に拡張されていた。


 科学技術の進歩速度は旧人類(ホモ・サピエンス)が1万年の時をかけた成果を凌駕。光速を突破し、時空間すら生成可能な「超空間理論」を確立。時空をも支配下においた。


 更にホモ・エレクトロニクスが現実世界で活動する為の身体「不老不死」「不滅」そして超空間のコントロール可能にした神の肉体とも言える『超人オーバーマン』を創造。


 あらゆる物を、果ては時空間、新たな宇宙まで創造出来る科学技術、それは正に神の領域であった。技術的特異点シンギュラリティーポイント後、遠くない未来、新人類はかつて神々と言われた創造主に限りなく近い存在になろうとしていた。



 だが、現在地球上には旧人類・新人類問わず「人類」は疎か「生命」と言われる存在は動植物、バクテリアや細菌、果てはウイルスに至るまで一切存在していなかった。地球は完全なる死の星と化していた。


 そう遠くない未来、地球を支配しているのは唯一絶対の存在『虚神イマジナリーデウス』と呼称される「神々」のみ。


 宇宙空間へと追いやられた新人類は聖地、地球を取り戻す為。預言された人類滅亡への結末シナリオを回避する為。ホモ・エレクトロニクスの集合体、最高意思決定機関「最高指導部ノーメンクラトゥーラ」による地球奪還、反攻計画が実行されようとしていた……




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