第2話 作戦前夜

アルテミシオンからカプラー2929までは4日ほどかかり、あと1日もないか。


装備の確認でもしておこう。武器は基本自分で用意するものだが貸し出してくれることもある。


まず、近接武器‥我が家に代々伝わる刀、美業〈ミゴウ〉。真偽不明だが人の苦しむ姿を見ることで切れ味が増すらしい。人工知能のようなものは付いていないはずなのだが性格の悪い武器のようだ。


そして拳武器、帝国拳。これは武器というか俺の手だ。少し前に第四ローマ帝国軍人から教わった軍隊格闘術だがこう言ってはなんだが人間相手ならまだしも怪物相手には有効ではないだろう。敵クローン兵士やマッドな学者をボコボコにするために使うことになる。


さて、遠距離武器は‥やはりオカナガンの中。大中小があり、大は戦艦についてるビーム兵器で中小はライフル、ハンドガンタイプの実弾兵器。


あとは戦艦にコンリットが30機ほど積まれている。パワードスーツのようなものだ。


とりあえず装備に不備はない。


「理威人くん、ご飯行かない?焼き肉できるみたいだよ。ここ。」


相田が訪ねてきたか。お互い死ぬ可能性は決して0ではない。こういう時間は大切にしておきたい。そういう仲ではないけども。


「帝国式おにぎりはあるかな?」


「帝国式おにぎり‥?あのバジルだらけのやつ?肉にしなよ。」


「肉ならこれから食えるかもだろ?あのツインヘッドのさ。ハハハ!舌も2つ付いててお得だな」


「‥ッ‥バカ舌がよォ‥いいから早く行くんだよ。私一人で焼き肉がっついてたら孤独な上にめちゃくちゃ食うピザ野郎みたいだろうがよ?恥かかすつもりなの‥?」


怒らせてしまったようだ。こわいよう。相田にはこういうところがある。しばらく会ってないが相田の家族もこんな調子だったな。


「分かった‥分かったから‥行きます。はい。」


食堂につくと薬ルーナもお食事中のようだ。やはりフロリダ式鶏塩ラーメンか‥。しかもあのミハイル・アレクサンドロフスキと飯食ってるのか。ルーナの武器目当てか‥。


「やあ、理威人くん。美業を譲ってくれる気にはなってくれたかな?」


「それは絶対ありえませんね。これなくなったら弾薬尽きたとき戦えなくなりますんで」


「僕の方がより華麗に美業を扱えると思うんだけどね。」


「それはそうかもなんですが戦いに華麗さなんて要らないですよ」


何が華麗だ‥相変わらずふざけた男だ。遊びでやってるのかこいつは‥。それでも腕がいいのが勘に触るところだ。


「向上心がないなあ。君は。僕にとって戦い、狩りなんて勝って当たり前。あとは質、内容なんだよ」


「見せ物じゃないんですから」


「いやいや良い娯楽なると思うよ。僕が格好よく戦う所はね。」


あー、イライラしてきたわ‥。時間の無駄だし立ち去るか。


「ツインヘッドなんてなかなか実物みないからね。僕の邪魔にならないようしてね」


「‥それでは。」


ふう、せいぜい背中には気を付けるんだな‥。


「ねえ、はやくいこ。肉なくなっちゃうよ。私が持ってくるから肉焼いてて。」


席につき火をつける。火力maxにした。が、俺の前だけ火が弱いな‥。まあいい。持ってこられたものをとりあえず全投入する。すると‥


「やはりバカだな‥」


またやらかしてしまったようだ。焼く順番?すいません。あまり詳しくなくて‥。




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フンテル @hirokissos

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