初め、思いつき程度の気持ちで読み始めました。
タイトルもろくに見ないまま、風呂に入るまでの暇つぶしとして。
でも、読み進めていく内、書かれている文章がまるで、それ以外の文としては存在できないのか、と思わせる程、推敲されたものでした。
比喩表現も秀逸で、脳裏にただの文ではなく、情景がありありと浮かぶようでした。まるで一つのドラマを見せられているような、そんな気持ちになりました。
わたしは、基本自分の小説に対してしか、時間を割く人間ではありません。それほど余裕のない、物書きとしては素人です。ですが、この小説に時間を割けて、本当に良かったと思っています。
正直、ライバルとして嫉妬もします。自分もこんな風に、読ませる文を書きたいと思います。
展開の緩急、起承転結、引きと溜めが意識されているのか、或いは無意識でそれをやってのけているのか。
いずれにせよ、とてつもない作品だと思います。
最後になりますが、このような素晴らしい作品を仕上げられた方に、わたしの小説を読んでいただいた事、場所を違えているとは思いますが、感謝を伝えさせていただきます。