第5話

繊細な感じがして、オファーをすると快く受けてくれた。


他の女たちにも、そういう絵を頼まれるので慣れているらしい。


人たらしというか、女性たらしなのかな。


この世界は最強のスキルなのではないか。


こんな人がいるんだなぁ。


と、思った。


自分は幼女なので無関係だし。


男性使用人達は、かなり警戒していたし、ガルルガルと威嚇していた。


金と時間にも言わせて。


幼女なので時間はたっぷりある。


3年以上費やして完成した。


その時には完成披露宴、と言う権力も行使した。


大々的に動画を配信。


女ということもあり、話題。


配信も同接がエグい。


乙女ゲームと言う新しい風は、この世界で大ブームをひき起こした。


立役者男達をきっちり並ばせた。


自分は遠慮すると言ったが、真ん中に並ばされた。


自分が真ん中にいれば、カメラのフラッシュが思いっきりたかれる。


カメラでフラッシュじゃなくて光攻撃じゃないの?


攻撃してしばらく使い物にならなくする攻撃じゃない?


とんでもねぇ攻撃を受けている。


こういう時に、男たちの高い身長があると思うんだが。


男たちは、ご自慢のお嬢様をお披露目できて、ご満月らしい。


それはわかったから、誰かに壁になって欲しい。


今すぐ、SOS、ヘルプミー。


男たちは、乙女ゲーム制作で、かなり自分に対して気安くなったとは言え、今はやはりフラッシュから守って欲しい。


女尊男卑うんぬん関係なく。


まぶしい止めろ。


ほんとに目が潰れる。


いやもう潰れている。


今自分にできるのは、心の中で叫ぶことだけ。


今騒ぎを起こしたら、やっぱり女は怖いと言う認識を拭えないし。


クリエイターとして認識してもらうには、メリットというか良いイメージをつけたい。


そうなれば!


乙女ゲームは爆売れする。


まぁ、女が作ったというだけで爆売れするけどね。


発表から数日後、発売されるようになった。


それはもう圧巻というか、既に決まっていたことのよう。


ありとあらゆる店からゲームがなくなった。


乙女ゲームショックと名付けた。


ふざけてない。


自分たちにもかなりショックだったからだ。


爆売れ確実はわかっていたのだから、覚悟していたがなくなるのは驚いた。


製作者一同は一時期呆然となったが、慌てて準備をしていく。


フェルナンデスは、自分のことのように祝ってくれた。


周りも自分を筆頭に、色々とお祝いの言葉をかけてくれた。


早くも乙女ゲーム第二弾を望まれるようになった。


しかし、今はしばし休憩。


とはならず、プロットを書いている。


やはり期待されると、体が動く。


自分にも一端のクリエイター魂があったのだろう。


などと言う冗談は置いておく。


例の女性恐怖症の男性は、ルウナと少しだけだが、話せるようになった。


彼はクリエイターとして才能を持っていたらしい。


将来、第二弾の乙女ゲームの大黒柱となることになるとは、夢にも思わなかった。


意外な才能を持つ人は、どこにでもいるものだなぁと思った。


使用人からおいしいジュースを注いでもらいながら、優雅なひとときを過ごした。

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女尊男卑で乙女ゲームを作る〜酷い目にあわされた人達も雇用していく〜 リーシャ @reesya

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