この物語は、命の重みと心のつながりを丁寧に描いた、あたたかくも切ない作品だと感じました。未知の地、第1地球で戦う4人の若者たちが、それぞれ葛藤や戸惑いを抱えながらも、少しずつ仲間と絆を深め、自分の力と向き合っていく姿がとても印象的です。特に、楯一くんと猫の“しろ”との出会いは、異星の戦いという非日常の中で、命の尊さと純粋な愛情を際立たせてくれました。
力を持つことの責任と、何かを守りたいという想い。それはGene-typeNという存在に限らず、きっと誰もが持つ感情なのでしょう。静くんの微笑み、流くんの真っ直ぐさ、謐くんの優しさも、すべてが物語に優しい温度を与えてくれていて、読むたびに心があたたかくなります。
読後、そっと深呼吸したくなるような、そんな優しさに包まれた物語でした。これからの4人の成長と、彼らの未来がとても楽しみです。
このお話の世界観は、
ある遺伝子を持つ親から稀に特殊な能力を持つ子供が生まれるようになる。特殊な能力を持つ者を恐れた人達は、別の惑星に移住を強要させてしまう。
というところから始まります。
そして、その惑星は第2の地球と呼ばれるようになり長い年月が流れたある日、第1の地球が滅んでしまいそうとのニュースが飛び込んでくる。
第1の地球は資源を欲する物理的攻撃が効かない『prox』と呼ばれる異星人の侵略を受けてしまっているのだとか。
第2の地球は特殊能力を持つ者の存在により侵略を受けることはなかったが、特殊能力を持つ者がいない第1の地球は皮肉にも格好のターゲットとなってしまった。
第1の地球は第2の地球に救援を求めることになる。
第2の地球はその身勝手な要求に憤りを感じるものの、4人の特殊な能力を持つ16歳の少年4人を向かわせることにした。
ただ特殊な能力は万能なものではなく、使い過ぎてしまうと心臓発作のようなものを起こしてしまう危ういものだった。
果たして4人はどうなってしまうのか!
4人の少年の葛藤であったり、
第1の地球に住む人間との向かい方であったり、
proxとはどういう存在なのか!や、
proxとどう戦っていくのかなど見どころたくさんです!
是非、お勧めしたい作品です!