第5話:新太郎の元カノ。
「ああ、紹介します・・・僕の元カノの「
「はじめまして、こんにちは・・・あの新ちゃんがお世話になってます」
「元カノ?・・・まじ?」
「あの・・・僕と古都音さんは、この部屋をシェアしてるって今。美月ちゃんに
話してたんです」
「シェア・・・ああ・・・シェアね・・・そうね、そうなのよ」
「はい、さっき新ちゃんから聞きました・・・」
「ちょ・・・ちょっとグロチンコ・・・こっち来て」
古都音は新太郎を呼んで美月には聞こえないよう聞いてみた。
「あのさ、なんで元カノがここにいるのよ」
「いや〜突然訪ねて来たんです」
「美月ちゃんは僕が亡くなったこと知らないんです」
「僕が生きてるって思って、寄りを戻そうと訪ねて来たみたいです」
「まじで?・・・どうすんのよ」
「どうするもなにも寄り戻します・・・古都音さんエッチさせてくれそうにないから
美月ちゃんと一緒に言って彼女の部屋でエッチします」
「そうなの?・・・いいの?グロチンコが幽霊だって知らせないで」
「黙ってたら分かりませんよ」
「見た目生きてる人と変わらないんだし、触れることだって出来るんですから」
「まあ、いいけど・・・そう彼女と出てくんだ・・・そう」
「なにかマズいですか?」
「ここさ磁場が強いって言ったじゃん・・・出てったら消えちゃうんじゃないの?」
「大丈夫ですよ・・・完全に消えるわけじゃないですから、また磁場の強い
ところに言ったら元に戻りますって・・・」
「呑気だね、グロチンコ」
「まあ、いんじゃない・・・彼女と幸せにね、念願のエッチできるといいね」
「はい、お世話になりました」
新太郎はそう言って、美月と寄りを戻して古都音の部屋を出て行った。
まあ、新太郎とエッチしなくて済んだ古都音は、ちょっと寂しい気もしたけど
内心はホッとしていた。
そう、また一人になっちゃったか・・・幽霊でもいたらいたで楽しかったんだけ
どな・・・。
新太郎が出て行って、古都音に日常が戻ってきた。
私がここを引っ越して誰かが入居しても、もう幽霊に悩まされることもないわね。
新太郎が古都音の部屋を出て行ってから一週間経った。
古都音は、なぜかため息ばかりついていた。
新太郎がいた時は、ウザいとかちょっと迷惑とか思っていたけど、いざいなくなると
寂しさが押し寄せてきた。
古都音は思ったより新太郎に依存してたことを知って驚いた。
「私って、そんなにグロチンコが好きだったの?」
「そんなことないよね・・・でもこの寂しさってなんなの?・・・おかしくない?」
結局、心にぽっかり穴がしたみたいに、腑抜け状態になって大学もバイトも休んで
キッチンテーブルに突っ伏して、タレパンダみたいになっていた。
そしたら、玄関のドアホンが鳴った。
動きたくなかったけど、ほうって置いてもピンポンが、うるさいだけだと思って
ドアを開けた。
「グロチンコ?・・・どうしたの?・・・入って入って」
「すいません、美月ちゃんに追い出されました・・・僕彼女に二度もフられました」
「なに?なんで?寄り戻したんでしょ?」
「あの、あれから仲良く過ごしてたんで、もういいかと思って僕が幽霊だってこと
彼女に言ったら、幽霊となんか暮らせないから出てってって言われて」
「怖くないし・・・生きてる人と変わらないんだからって説得を試みたんですけど」
「追い出されちゃたんだ・・・気の毒にね」
つづく。
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