第八舞 あの時の人は
「うーん、解らない。どうしてなんだろうな」
アタシが使える
そのことを、なぜなのかと誰に
朝食ついでで部屋へ歩いている時に、廊下にて、
「ただ、それで、力が付いて、そのコの能力を使えたってことは、ほかの二匹の力も使えそうなんだろ?」
「ああ、はい、そうっぽいですよね、やっぱり」
「じゃあ、もう大丈夫そうだな、レパートリーが増えたろ。三つどころじゃないってことになるんじゃないか? そうだろ?」
朋三郎さんは、そう言って、いい笑顔を作った。
(確かにそういうことだ。対応できない
「器用貧乏にならなきゃいいけど」
「頑張れ。頑張るといいさ」
そう言われて、うん、と胸を張ることにした。
「じゃあな」
そう言った朋三郎さんを「あ、はい、じゃあまた」と言ってから、送り出す。
見送りながら、思い出した。
(そういえば、ひとつ謎があるんだった。あの時、アタシを、誰が助けてくれたのか)
「
「うん?」
彼が振り返った。アタシは少しだけ近付いて。
「
「いや、違うよ」
(違うんだ……そっか……)
ちょっと残念だった。なんでだろう。
アタシに親切にしてくれた男性は、ほかにも居た。ジムで脚力を最初に測ってみるように言ってくれた人もそう。その人の名前は「
潤也さんにも、あのプールで助けてくれたのは誰かということを
「いや、俺じゃないよ。というか、その
「ああ……」
失念していた。
そこへ行くというのも、あまりにも自分を
「感謝はしたいんだよねえ」
と、本部一階の相談窓口で言うと、以前も話したその女性は、
「じゃあ局から感謝を言うからという名目で、確認しておきますね」
と言った。
あとから連絡が来た。どうやらそこの生徒ではないらしい。教師でもないらしい。
(じゃあ誰なんだろう、本当に)
ずっと気にしながらも、
エンちゃん(アタシがそう名付けた手乗りイタチの赤い
「ギョエー」
と言わせて
ちなみに、この時に倒したのは「横入りするなぁぁぁ」と
「ふーくくく」
と鳴いてギウちゃんピブちゃんエンちゃんの仲間入り。
こんなにも増えたし、フーちゃんが飛べるところを見て、ふと思った。
(みんな飛べたら楽なんだけど)
だから、そこで、『体を改良する』という
「ぎう」
「ぶひゅ」
「ひきゅぅ」
このコたちにも翼が生えた。
「ねえ、それで飛べる?」
正魔は、たまに、物理法則を無視するのか、それとも、関与を半減させるような感じなのか、あまり苦労せずに飛び始めた。
(飛べなかったらその変化を解除する予定だったけど……これは嬉しい)
「アタシが現場に行く時、その翼でついて来れる?」
「ぎうぅ」
「ぶひゅぅ」
「ひきゅっ」
「ふーくく」
(うん、解んないけどヨシ。可愛い)
聞くより事実――と、
(何とかなりそう)
そう思いながらワシャワシャ
そしてある日。
「ああ、それ、俺だよ」
「え!」
夕飯のあとで、ある男性が、
彼は金髪で、それが短くて、背は高い。自信もありそう。
アタシの後ろにはあの四匹が浮いていて、
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