第15話 贈り物

だんだんと意識が浮上してくる感覚を覚え私はゆっくりと目を開けば寝かされていることに気が付き勢いよく起き上がった。


「っ……いった……」


いつから寝ていたのか分からず私は窓から差し込む茜色の光に私は瞬きをした。すると部屋の襖が開けられ私はそちらの方へ視線を向けた。


「紫苑。あぁよかった目が覚めて」


「瑞華……様……」


「少し神気を浴びせすぎたかと思ったが……特に問題はなさそうだね。」


神気……?この方は何を言っているのだろう……私は瑞華様から視線を外せずにいるとチャリっと微かな金属音が聞こえ私はゆっくりと首元に触れた。


「あぁ…それは私からの贈り物だよ。気に入ってくれたかい?」


「贈り物……?あの……これは一体……」


「私の神気を込めた首飾りだよ紫苑……あぁよく似合っているよ」


「首飾り……?」


「あぁ。それに私の神気を込めているから何処に行こうともわかるようになっている」


「な……んでそんな事を……?」


「なんで……か。君は私のものなのにどうにも外に興味を持ちすぎているからね。」


瑞華様はそう告げながら私に近づいて私の首についてある首飾りにそっと触れた。


「これがあればもう外に行こうと思わないだろう?これでずうっと一緒だ。私の愛おしい紫苑。」


瑞華様はそんなことを告げながら笑みを浮かべていた。その笑顔はとても優しくて美しくて……自分がしている事なんて微塵も悪い事だと思ってなさそうで……。


「そうだ。いっその事外の事を忘れさせてあげようか。そうすればもう二度と外になんか出なくなるだろう?」


「っ……」


「あぁそんなに怯えた顔をしないでおくれ紫苑。ただ君は私の社でずっと……ずっと一緒にいてくれれば良いんだ。」


そんな言葉を告げながら私をそっと抱きしめてきた。あぁきっともう私はこの神様から逃れられない。だから私はもう何も考えずに小さく頷いてみせた。

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