第5話 旅立ちの準備と、月一の商人

 冒険者登録を済ませてから、数日が経った。


 あれから《赤雷の牙狼》とは遭遇せず、本当に10銀貨どおりの依頼を受ける毎日だった。


 ――そろそろ、次の町へ行くか。


 この町で学んだことは多かったが、そろそろ広い世界に出ないと寿命が尽きてします。


 だが、町を出るにも問題がある。


 俺:「……この町、出入り手段、少なすぎないか?」


 ここは山と森に囲まれた小さな集落で、馬車も旅人もほとんど来ない。


 受付嬢:「あ、そうだ! 来週ね、月に一度の“商隊さん”が来るよ!」


 俺:「商隊?」


 受付嬢:「うん、王都方面から品を仕入れて、こっちに来ては帰る商人の人たち。あの人たちにお願いすれば、次の町くらいまでは乗っけてってくれると思うよ」


---


 それからの一週間、俺はひたすら準備に勤しんだ。

 食料の乾パンと水袋、最低限の装備、そしてパリイの練習。


 町の人たちも、なんだかんだで協力してくれた。


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 そしてその日が来た。


 朝靄の中、町の外れに土埃を巻き上げながらやってくる馬車。

 先頭に立つのは、陽気そうな中年の商人だった。


 商人:「よぉ、若ぇの。あんたが噂の《赤雷の牙狼》を追い払った冒険者”か?」


 俺:「え、もうそんなに広まってるの?」


 商人:「ハハ、まあな。商人の情報網をナメてもらっちゃ困るぜ。まあ、乗せてってやるよ。次の町“ファルベラ”までは3日の道のりだ」


 俺:「助かる」


---


 馬車に乗り込むと、町の人たちが見送りに集まっていた。

 受付嬢も、その中にいた。


 受付嬢:「……気をつけてね。王都に行くなら、変な人も多いから」


 俺:「ああ、ありがとう。」


---


 こうして、馬車はゆっくりと動き出した。


 町が小さくなっていく中で、

 俺はギルドカードを見つめて思う。


 ――ここが、始まりだったんだな。


 だが、俺の旅はまだ始まったばかり。

 もっと広い世界、もっと強い相手、もっと激しいパリイが待っている――気がする。

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