第4話 はじめての報酬金

 ギルドに戻った俺は、報酬受け取りのために受付に向かった。


 受付嬢(メア):「あ、えっと……討伐、もう終ったんですか?」


 俺:「うん。とりあえず狼っぽいのが十五体。ボスっぽいのが一体。」


 メア:「…………え?」


 俺:「全部パリイで。」


 そう言いながら、おれは討伐部位をカウンターテーブルへ取り出した。


 メア:「…………は? 討伐依頼は狼でしたよね」


 俺:「え、これは違うの? たしかに少し弱すぎたけど………。」


 その日の午後、ギルドはちょっとしたパニックになった。


 なんでも、俺が倒したのは《赤雷の牙狼》という最近になって“進化個体”だと判明したものらしい。

 群れまるごと高ランク指定に再評価中で、その報告が来るより前にまさかの全討伐済みとなったのだ。


 その結果――


 ギルド長:「……これはもう、Bランク級の特別報酬で出すしかないな。」


 メア:「あ、あのっ、こちらが今回の報酬に――な、なります……!」


 俺:「え、金貨? 俺、お釣り持ってないけど?」


 メア:「い、いえ、ど、どうぞ!」


 報酬は10枚銀貨だと思っていた俺は、まさか金貨が貰えると知って、間抜けな顔をしていた。

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