雨の夜の感傷

第1話

いっそう勢い増した雨は

鬱屈した心をかき消すように

視界をぼかし

全てを薄墨色に染め上げる


かの道標たる街灯に

その白きぼやけた光に

ロダンバックの一輪の白薔薇重ねた夜


炎ではなく水のようにと、

全てを洗い流せ


かの方に習え


感傷より自己凝視なのだと

分かった心算でいた夜


そうか

付け焼刃は消滅するのだ

知った心算


かくありたしと願った夜


全ては虚無と焦燥と

曖昧模糊たる混迷に

耐え切れず


その芯は他者に委ねられ

作られたマガイモノだったのだ


雨の夜


もっと降れ


全てを洗い流すように降るがいい


流されてたまるか


流れるときは自分で決めるのだもの


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雨の夜の感傷 @oboto

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