第115話 説教

カフールさんが、「話が進まないので、その程度で、納めてもらえませんか?」

「え?やっと面白くなってきたのに。この後、ギルドマスターが、模擬戦だ!!っとかいって、僕にぼこぼこにされるまでセットでしょ?


あ、そうすると、僕が目立つか。やめよう。」と、気配を先ほどまで戻した。


カフールさんが、「ギルス、お前は、衰えたなぁ。相手の力量を測れなくなった時点で死ぬのが冒険者だ。お前は、いつから、椅子にふんぞり返るだけのものになったのだ?少なくとも10年前はもう少しマシだったのだが。」

「確かに、衰えたのかもしれん。だが、その小僧は次元が違うだろうが。」

「私は、最初の段階から、実力は測れていたぞ。ただ、少なくとも、ここは信用が置けないことはわかった。先日、打診した件は忘れてくれ。


では、マルス様、帰りましょう。」

「そうだね。カフールさんが推薦するから、どんな人物が来るかと思ったら、”その武具を奪い取ろうとしたものは後で、説教して、持ち主に戻すのが通例だ。強奪行為を容認しているわけではない。”ですって。人の実力も測れないトップの組織に、そんな行為をさせて、本物の実力者に対してその行為を行ったら、この建物自体を破壊されるかもしれませんよ。それをギルドマスターが責任をとれるのかな?まあ、その時は、命がなくなっているから、責任をとれないでしょうけど。(笑)」

「まあ、それ以前に、ミリオス伯爵家の客人に強奪を行ったものに対して、説教で済ますといった時点で、この冒険者ギルドは、敵対勢力になりましたから。好きに、暴れてもよいかと。」

「まあ、脳筋によくある力が正義ってのを実行されるのだから、自業自得ですよね?じゃあ、今から、」

「待ってくれ。俺が悪かった。お願いだから、それはやめてくれ。頼む。小僧には、いくらでも補償はするから。頼む。」

カフールさんを見ながら、「上から目線で命令されたように感じたんだけど気のせいですか?」

「私も、そう思いましたね。やはり、ここは殲滅して、王城には、ミリオス伯爵家への敵対行為をしたからだと話しておきましょう。」

「申し訳ありませんでした。お願いですから、思いとどまってください。お願いします。」ってギルドマスターが土下座をしながら、お願いしてきた。


カフールさんが、「最初から、もう少し、分をわきまえた態度をしていればよいものを。お前は、現役の時でも、私に勝てなかったことを覚えていないのですか?その私が連れてきた客人に悪さをしたと聞いた時点で、謝罪から入るべきを、なんですか、あの態度は。嘆かわしい。

で、あの悪さをした冒険者の処遇はどうするのでしょうか?」

「それは、今までの慣例ならば、説教をして、強制依頼をいくつか達成させて、開放だが。」

「街中で同じことを冒険者が行ったら、どうなるのでしょうか?」

「それは、、、、衛兵に拘束され、その行為に従った罰則を受けるかと。」

「では、冒険者ギルドの中でも同じようにすべきだと思いますが?なぜ、冒険者ギルドの中では、軽い処罰なのですか?」

「それは、冒険者ギルドの中にいるものは、最低限の実力がある者が前提ですので、その力を考慮して、その慣例があるというか。」

「不思議ですね。その慣例は、もし本当に弱者が高価な装備を持っていたとして、それを奪い取られる行為があり、その者が貴族の縁者だとして、その弱者は泣き寝入りしますか?ギルスはその責任を取れますか?」

「え?そんな事は。」

「相変わらず、抜けている。この方は、ミリオス伯爵家の客人と申しました。つまり、貴族の縁者です。ギルド内をしっかり管理しなさい。その扉の外で窺っている者も何を目的にしているのか。緩すぎます。」

ギルドマスターが「おい、扉の外にいるもの、入ってこい。」って、言ったけど、入ってくるわけがないので、僕が、魔力で包んで、扉から中に引き込んだ。

その者が「うわ。なんだ。これは。」って言いながら、入ってきた。

「お前は、サビール。何をしていた。」

「い、いえ、いろいろと騒がしかったので、入ろうか窺っていたのですが?」汗をかきながら、なんか言っている。

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