「記録不可」「情報開示請求対象外」という冷徹な警告文の羅列に、背筋が凍るような臨場感を覚えました。 公文書の形式だけで、戦時下から続く非人道的なプロジェクトの歴史と、その結果生まれた「ギフテッド(美緒)」の異質さを描き出す手腕が本当にお見事です。 最後に「本人の同意」という言葉が出てきたことで、美緒という少女が単なる実験体以上の力を持っているのではないかと、期待と恐怖が膨らみます!
IQの高い人の頭の中身を覗いてる気分。一貫して語り手の知能の高さを反映した、理路整然としつつも感情が欠落したような文体が続きます。読み進めていくうちに、天才(=ギフテッド)ならではの苦悩が見えてきます。最初は一見、バラバラな事象を書いているようで、物語が進むうちにそれらがだんだん一つの方向を向いていく。まだ途中ですが、一話一話が非常に上質な作品を読んだ後のような読後感にさせてくれる、そんな一作です。
素直に面白い!!単なるSF物という言葉では片付けられないほど、独自の世界観(領域)が広く深く展開している。更に、設定が斬新だ。UFOが地球人を攫うというのはよくあるが、地底人が地上人を攫うというのは…これ以上書くとネタバレするので、とにかく読んで欲しい。
近未来観の世界を描いた作品です!すごく惹かれやすい設定で自分は好きな作品でした!
極秘文書や視点の切り替えを用いた構成が印象的で、世界観が少しずつ立ち上がっていく感覚が心地よい作品。人工知能、脳の進化、地下世界という重厚な題材を扱いながらも、人物同士の距離感や会話が丁寧で、単なるSF設定語りに終わっていない点が魅力です。特に価値観の異なる立場が自然に交差していく流れは読み応えがあり、「正しさとは何か」を読者に静かに問いかけてきます。断片的に示される情報が強い引力を持っており、物語がどこへ向かうのか非常に気になります。今後の展開とテーマの深化に期待したい一作。