第6話
血の気の失せた顔に落ちかけの化粧。
ぱっつり切った前髪に、前下がりストレートボブは一切染めたことのない黒。
砂漠を彷彿とさせる焼けた生成り色のワンピース。
当然ブラは着けてないから生白い胸とか結構見えそうではあるけど、まぁいい。
そんな出で立ちなのに、
あたしの方が健全に見えるってどーゆうこと。
そのとき、膝に乗せたままのスマホの画面が
光ってるのに気付いた。
表示された名前を見た途端、鼓動は早まる。
昨晩の出来事を思い出すと、
甘く気怠い感覚が
体の内側を巡って息苦しくなった。
アホらし、と呟いたあたしは
続けて彼氏からかかってきた電話に
だらだらと出てやることにする。
「はーい……姫宮杏里ですけど?」
『今、どこにいんだよ』
あたしが聞きたいんですが。
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