三章 大きな死角、小さな刺客
「キャップさんの予想が的中しましたね。天札詠。写真と少し目と髪色が違いますがまさか生きていたとは…」
「あーまぁいろいろあってお陰様でね。」
「それにしてもなぜです…?
「なるほど。諸悪の根源はあんたの能力だな。悪いけど俺も
「恐らく、こうよ。貴方の
「ご丁寧にどうもありがとうございます。ですが、状況はまだこちらが優勢です。モグコさん。」
「おー!」
モグコがまたコンテナを詠に向かって両手で押して引きずっていく。
ズガァン!!という衝突音がしたが、そこに詠は居ない。
詠はその頭上に飛び上がっていた。
「(やっぱり
そして着地と同時にコンテナを蹴り、モグコにタックルした。
「うにゃぁ!!!」
叫ぶとモグコは地面を転がりっていく。と同時にすかさずクノが制服のポケットから出したクナイを詠に向かって投げた。
ギィン!!
だがそれは詠の出した二本の氷の刀で弾かれる。
「なるほど。系統の違う2つの能力。いやもっとですか。特殊異能系とは珍しいタイプですね。」
詠はクノの能力、性格をざっくりだが理解した。二降のように状況を的確に判断できるタイプ。そして違うのは裏方で暗躍し、いざという時はキャップに代わって全体の指示もできることを。
「…レンズさん聞こえますか。ターゲット変えます。
「狙撃手に連絡してるのか。だったら早めに終わらせないとな。」
クノとモグコに刀を振りかざして突進する。
その瞬間、詠の左足に銃弾が激突した。
「っっ!?がああああっ!!」
「天札君!?」
「おっと。君の相手は私だよ。」
「退きなさい!!」
季節外れの猛吹雪がキャップや周りの全てを吹き飛ばそうとする。
が、キャップには雪の一粒すらかかっていなかった。
「悪いね。僕の、
「くっ!天札君が危ないのに…」
「大丈夫…です。」
足を引き摺りながらも詠が答える。
「オレたちにはまだ、仲間がいる…そうでしょ先輩。」
「(仲間?いや埋葬傷奈の報告では
「クノ!モグコ!このままそっちは頼むよ。二降澪奈には僕の
◇
とある建物の屋上に女がライフルを持って寝そべっている。
「よし、着弾っと。流石に狙撃ポイントはまだ気づかれてないね。夜が更ければ更けるほど私はさらに見つかりづらくなる。追い風はこっちに吹いてるね。」
おはぎをつまみつつ、
「(私の、
戦闘が続くが、
そんな時、ビルの屋上のドアが突然勢いよく空いた。
「っ!君たちは…?」
現れた突然の侵入者。
時は数十分前に遡る‥
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