第2話 突然の旅立ち?

 小学校の夏休みに曾祖父ひいじいちゃんの家で、俺が暇だとぼやいていたら、

「……冒険してみるか?」

と曾祖父ちゃんに言われた。

 アスレチックかキャンプだと思って、

「行く行く!」

と応えると、

「……ヒルンドに連絡しとく」

と言われた。


 ヒルンドという人は、曾祖父ちゃんの古くからの友人だそうだ。何度か曾祖父ちゃんの話で聞いたことのある人だ。名前からして外国人らしいので、聞いてみた。

「俺、外国語出来ないよ?」

「……大丈夫」

 何が大丈夫かよく分からないけど、曾祖父ちゃんが言うならそうなんだろう。曾祖父ちゃん、あんまり喋らないけど、信用出来るから。

「パスポートは?」

「……いらん。……意味ないし」

 何か不穏な言葉を聞いたけど、曾祖父ちゃん、大丈夫なんだよね。本当に信用してるからね。


 出発当日の曾祖父ちゃんの家で、

「……これは首に掛けとけ、これは餞別」

 リュックを背負った俺に曾祖父ちゃんは、細かい紋様の入った首飾りと杖をくれた。いつものことだけど説明は無いらしい。

「ありがとう」

 首飾りは分からないけど、杖は魔法の杖だと思う。でも学校で使っている「水の杖」と紋様が違うけど?


「じゃ俺からは、この絨毯をやろう」

 見送りに来ていたヒロ爺が、絨毯を渡してきた。そんな重いものと思ってたら、ほとんど重さが無かった。

「空飛ぶ絨毯2号『あめの浮舟』だ。常に浮いてるから重さがほぼ無い。最新の魔法威力可変紋様入りなので、浮く高さは自由に変えられる。だが、こいつ浮くだけで移動はしない。だから移動には、何か推進力がいる。風の魔法とか水の魔法とか。まぁ、石投げてもいいがな」

 さらっと言ったけど、「魔法威力可変の紋様」って実用化してたの? 絨毯の名前が、毎度のことながら厨二臭くて恥ずい。

「ありがとう……」

 遠慮なく貰って、リュックの上に括りつけておいた。


「……そっちじゃ無い」

 俺が玄関に向かおうとすると、曾祖父ちゃんが首を振った。えっ、出発じゃないの?と思っていると、地下室へ連れて行かれた。地下室の奥にある扉の錠を鍵で開けて、曾祖父ちゃんは俺に入るように言った。

 その部屋には何もなく、ガランとしていた。唯一あるのは、床に描かれた見たことのない紋様。

「……じゃ、出発」

 俺が紋様の上に立つと同時に、曾祖父ちゃんが言った。


 気がついたら、俺「青の星」にいた。曾祖父ちゃん、説明なさ過ぎ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る