第50話:決戦開始

 次元を越え、奴らの本星宙域に出た俺達。

 外部を映すスクリーンがポップアップすれば戦場の様子が見える。

 すでに戦端は開かれ、砲火が飛び散る乱戦状態となっていた。


 「出遅れたか? 俺達も出るぜ!」


 テンセイフェニックスを発進させる。


 『レッド、一機でも落とされたら合体出来ないんだから突出しすぎるな!」


 ブルーから通信が入る。


 『先輩ヒーローの皆さんの邪魔しちゃ駄目っすよ!」

 「いや、邪魔してないし!」


 ピンクからの通信に言い返す。


 『レッド君、私達を置いてけぼりにしないでね』


 イエローの言葉からは圧が籠っていた。


 『レッド様、逃がしませんからね♪』

 「ブラック、俺が何をした!」

 『はいはい、ラブコメは戦いの後にしてね』


 ブラックは言葉が黒いしグリーンは冷たい。

 俺は女難の相を持て生まれた覚えはないぞ!


 『レッド君、まあ我々と共に行こう♪』

 『そうです、敵のボスが待つ本星へは皆で乗り込みましょう』


 ゴールドとシルバーからも止められた。

 戦隊らしく団体行動を心がけよう。


 あちこちから戦力を集めてきたのか?

 艦隊やらロボやらがバンバン襲って来る。

 リーゼント頭みたいな戦艦とか、モヒカンでトゲ付き肩パッドロボとか。

 どれも個性が変な方向性に尖った悪党どもが宇宙を駆けて来る。


 『ヒャッハ~~! ヒーロー共をぶっ殺せ~~!』

 『俺達は殺戮が大好きなんだ~♪』

 『この宇宙を火の海にしてやるぜ~~!』

 『コスモポリスのマッポの船を強盗じゃ~~♪』


 味方との連携の為のオープン通信チャンネル。

 敵も規格が共通なのか、敵側の通信が聞こえて来る。


 『美しくないね、ローズソーン!』


 ローズファイブのロボ。

 ローズガーデンから色取り取りのバラの花びらが嵐の如く吹き荒れる。


 「「「アバ~~!」」」


 バラの花びらに触れたヒャッハ―共の機体が爆発した!


 『薔薇がなんじゃい、リーゼント砲、発射!』

 「させるかよ、フェニックスシールド!」


 俺は、敵艦とローズガーデンの間に割り込ませる。

 期待から火の鳥にエネルギーを放出して、敵の砲撃を相殺した。


 『ありがとうございます、ヘリオン様♪』

 「いや、急に乙女な声を出すな! 後、前世の名前で呼ぶな!」


 ローズガーデンから、男役からお姫様役に変わったローズレッドの声が響く。


 『ちょっと、レッド君は家のだよ!』

 『前世の頃からあざといですね、流石は姫薔薇の剣士ロージー!』


 イエローとブラックが不満の声を上げる。

 すまねえ、ローズレッドも俺の中では仲間なんだ。

 他の前世の仲間も、どこかにいるなら会いたいな。


 『ふ、流石は私も含めてヒロインセーバーのレッドですね♪』

 「シルバーもゴリラロボの中から何を言うんだ!」


 戦闘中ではあるのに、馬鹿な会話をしつつ敵群を撃破して行く俺達。

 こうして仲間と繋がれることで、孤独から来る不安などは抑えられていた。

 馬鹿話をする事で精神のリフレッシュもできる、仲間ってありがたい。


 いや、ロボアニメだったら投薬しながら戦う位の戦場だぜ。


 『レッド先輩、フラグ乱立っすね?』

 『ああやって追い詰めたら、あいつ逃げるんじゃない?』


 ピンクとグリーンも高いながら通信でぼやいている。

 うん、ヒノエと一緒に逃げる用意をした方が良いかな?

 敵機を火炎弾発射で撃墜して行きながら考える。

 敵よりも味方のはずの女子がおっかない!


 『五遁と陰陽合わせて七遁、虹遁レインボー!』

 

 ニンジャーズの五遁大将も分身してから、虹色のビームで弾幕を張り大暴れ。


 『テンセイブラックさん、学校サボり過ぎです! 夏の忍者大会で勝負です! 』

 『陰ニンジャーさん、叩きのめして差し上げますわ!』

 「ちょ、ヒーロー側が風紀を乱すな!」


 家のブラックとあっちのブラック、そういや同じ学校だったんだな。

 世間と業界は狭いぜ。


 『力こそパワーは原始の理、受けて立とう!』


 コダイレッドさんの楽しそうな通信と共に、コダイオーが暴れる姿が映る。

 コダイレッドさん、本業歴史学者では? 脳筋過ぎない?


 ヒーロー仲間達の助けも受けて戦う俺達。


 「よし、そろそろ合体だ!」


 敵が減ったなら合体タイムだ。

 俺のテンセイフェニックスを起点に全員集合。

 リンネテンセイオーへと全部合体する。


 『させねえ、タタキアンの意地を見せてやるぜ!』


 こっちが合体した後、敵側からの通信が入る。

 空間が割れると共に、巨大な緑色の力士っぽいロボが現れた。


 「む、あれは噂に聞く蹂躙兵器ドスコイか!」


 全部合体でコックピットに集合したシルバーが叫ぶ。


 「うちらのロボと為のタッパっすね?」

 「宇宙にもお相撲の概念があったんだ!」

 「いあ、あのロボットは何と戦う為の物なんだ?」


 ピンクは呆れ気味。

 イエローは驚き。

 ブルーは疑問を呟く。


 「皆、敵が出たなら倒そう!」

 「グリーン君の言う通りだ、倒して押し通れば良い!」

 「了解、運じゃあリンネテンセイオーでぶちかますぜ!」


 ボスエネミーらしい力士ロボ、デカくて強い奴は倒しがいがある!


 『くたばれ、ドスコイビーム!』

 「やらせません、シェルフィールド!」


 力士ロボが全身からぶっ放して来た無数の青いビーム。

 ブラックが広範囲にバリヤーを張って防ぐ。


 「お返しと行こうか、リンネテンセイオーゴリラパンチ!」


 シルバーの操作で拳を振るうリンネテンセイオー。

 だが、敵もまだまだ倒れない。


 『ヒャッヒャッヒャ、そんなもんかテンセイジャー♪』


 ガンガン殴り合いをしながら敵が煽る。


 「ぐは、宇宙でも衝撃が来るな!」

 「諸君、兵器か?」


 ブルーの呟きにゴールドが見回して確認。


 「大丈夫っす、闘志は燃えてるっす!」


 ピンクが叫ぶ、これはマスクの下はテンション上がって獣の笑みを浮かべてるな。


 「お相撲ロボの癖に技がなってません、勝てます!」

 「イエローの言う通りだよ、私達なら勝てる!」

 「僕もこんな所で負けてられません」


 イエロー、グリーン、ブルーもやる気だ。


 「皆様、修理代は出しますから気にせず参りましょう♪」

 「流石はブラック様ですね♪」


 ブラックが、修理代は出してくれる宣言。

 思い切りやろう。


 「うむ、修復資材は倒した敵の残骸を回収して私が錬金する!」


 そうだ、家にはゴールドと言う天才錬金術師もいた。


 「それじゃあ、アイハブコントロール♪ 俺がメインで暴れるぜ!」


 クイズ番組の解答権利みたいに俺に操縦権利が回って来た。


 「行くぜ、リンネテンセイオー! 転生剣っ!」


 必殺の武器、転生剣を装備して上段霞に構える。

 同時に極太なビームが襲て来た。


 「転生剣、重力ビーム散らし!」


 シルバーの力でブラックホールをコーティングした転生剣。

 暗黒の刃を振るい、ビームを刃に吸い込ませる。


 「そして止めの、ヴィクトリーフィナーレだ!」


 俺が修業して覚えた勝つ為の剣ではなく、チーム皆で勝つ劍を振るう。

 敵の力士ロボは、必殺剣を受けて爆発した。


 「うむ、資材は取り損ねたが勝ったな♪」

 「レッド先輩らしいオチが着いたっす」

 「うんうん、やっぱりレッド君だね♪」

 「レッドはやっぱり、こう言うやらかしがないとね♪」

 「久しぶりにレッドがやらかしたな♪」

 「前振りをぶち壊す、流石はレッド様♪」

 「真っすぐすぎる気持ちい勝ち方でした」


 あ、敵のロボから素材の話を忘れていた。


 「勝ったから良いんだよ、このまま何か灰色な敵の本拠地へ行くぜ!」


 悪いが、細かい事は気にしないで行かせてもらう。

 俺達は、敵の親玉がいるはずの、惑星へとリンネテンセイオーを突撃させた。

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