第49話:決戦に向けて
タタキアンの大幹部、三将軍の内二人を撃破した俺達。
残る幹部は殺人将軍とクィーンタタキアン。
テンセイベースへと戻り、今後の作戦会議となった。
「しかし、願いの敵う宝石とはまた厄介な物が出てきたな」
博士が苦い顔で呟く。
「願いを叶えるって、良い力だと思うけどね?」
「うん、力自体は悪くないよね」
緑山さんは疑問を浮かべ、黄河さんは暗い顔になる。
「かえでせんぱい、願の叶えられ方がマッチするとは限らないからっす!」
「え、きびちゃん詳しいの?」
「あれっす、父ちゃんにプレゼントねだったらいらねえもん渡されたとかっす!」
「あ、凄い納得した! 本当、お父さんってずれてるよね~」
きびちゃんが物凄いわかり安い答えを示してくれた。
「願いってのは、ざっくりしたいい加減なもんが叶うと最悪な事になる」
「事細かに叶った事で起こる悪影響も考慮して、願わないと駄目とかな」
俺と清丸も例えを出し合う。
「ホラー映画でも願いが叶う事で起きる恐怖とかありますしね」
永遠さん、ホラー映画とか見るんか。
魔王がホラー映画とは?
「願いを叶える力、そう考えると恐ろしいですね」
パトリシアさんが苦い顔をする。
そう、願いが叶う力と言うのは恐ろしい物なのである。
金が欲しいと願っても、何時手に入るかとか?
どうやって入手するのか?
と時間や方法とかも決めて願わねばならない。
五W一Hで考えて願わないと。
「諸君らも理解してくれたと思うが、そんな物を奴等に悪用されてはたまらない」
「悪だけでなく、ヒーロー側にも使わせられないっすよね」
図画に問いかけると、無言で俺に頷いた。
あの戦いの様子は配信していた。
ドラレコみたいなもんで、会社からヒーロー協会へ提出されてる。
なので、他のヒーロー達にもフェイトジュエルの情報は伝わるのだ。
「赤羽君の言う通りだ、願望器の類は善にも悪にも使わせると不味い」
博士がため息交じりで答える。
「良かれと思っての願いも、時間が立てば害になるとかですか?」
清丸が博士に尋ねれば博士から首肯される。
ヒーロー達の理性や人間の善性を信じたいが、カオティックな人はいるからな。
前提として、クィーンにフェイトジュエルを生みださせないようにしないと。
「誰にも願いはあるし、ちょっと位って気持ちは出て来ちゃうよね」
緑山さんは自分の発言を思い出しながら呟く。
「うん、私もそう思うけどそのちょっと位が失敗の元なんだよね」
「わかるっす、ちょっとのカロリー摂取で減量失敗とかあるっす」
黄河さんときびちゃんは、何かダイエットの話題になっていないか?
「うむ、我々の方針はフェイトジュエルの発生阻止とタタキアンの打倒だ」
博士が司令官らしく纏めてくれた。
「フェイトジュエルが生まれるは、誰かの世界が滅ぼされるに繋がりますものね」
永遠さんが暗めな表情で告げる。
「そうだよな、俺達と同じ悲劇を誰かが味わうんだよな」
先程の戦いで、清丸とパトリシアさんの前世世界の遺物がロストした。
誰かの不幸の上に成り立つ、願いの敵うアイテムなんて許せねえ。
仲間達とパトリシアさんが淹れてくれたアイスココアを飲みつつ語り合う。
戦いの後の疲れに甘いものが染みるぜ。
「ところで、祝勝会と精進落としで一席設けるのはどうかな♪」
博士が笑顔で俺達を見回す。
「「賛成ですっ♪」」
気分転換もしたいし美味い物が食いたくなったので、賛成した。
焼き肉店を貸し切り、皆で大宴会の流れになった。
「肉、肉、肉~~~っ!」
「ちょっと実さん、お野菜もお食べなさい!」
和風の焼き肉店では、違う意味で激闘が始まっていた。
ひたすら肉を食う黄河さんに、野菜も食えと窘める永遠さん。
「博士、まだっすか? まだっすか?」
「うむ、これが黄金比率の焼き加減だ♪ 桃田君、食べてよし!」
「わおん♪」
「博士、野菜もお願いします♪」
「うむ、野菜にも黄金比率の焼き方があってな」
きびちゃんと緑山さんは、博士に肉を焼かせたりと良いように使ってるな。
「少年達よ、肉を食べるのです♪ 馬肉もあります♪」
パトリシアさんは、牛だけでなく羊や馬やワニなどのレアな肉を焼いてくれる。
「止めて下さい、馬肉は前世のトラウマが!」
ビーストが馬な清丸は拒絶する。
「ちょ、ビーストの係累の肉はやめてあげて!」
「では馬肉は灯希様に、ワニ肉は清丸様に」
「いや、そう言うんじゃなくて~~!」
ブラックオークと人間の感性の相互理解はまだ遠かった。
俺と清丸は、タヌキなどレア肉を振舞われ続けて食べまくった。
悲喜こもごもな焼肉パーティーで英気を養った俺達。
今日は月にある第二基地に全員で集まっていた。
「諸君、昨日の今日だがこちらに集ってもらったのは他でもない」
「もしかして、タタキアンの本拠の座標が掴めたんですか!」
「その通りだ、赤羽君。 これより我々は奴らの本拠へと打って出る!」
博士の宣言に拍手が起こる、いよいよだ。
「皆、また地球で宴を開くべく未来を勝ち取りに行こう♪」
博士が俺達に微笑む、俺達も笑みがこぼれた。
「総員、テンセイチェンジを行い機体に搭乗せよ!」
「「テンセイチェンジ!」」
俺達が変身すると同時に足元が沈み、自分の機体のコックピットへと送られる。
滑り台のように移動して、テンセイフェニックスのコクピットに着く。
「合体していないとコクピットは一人だから、色々と考えちまうな」
まだ一年も経ていないのに、いよいよ悪の組織との決戦。
個性的な仲間達やヒーローと出会い、濃すぎる時間であった。
物思いに耽ってしまう中、スクリーンが複数浮かぶ。
『やあレッド君、久しぶり♪』
『お~~い、テンセイレッド♪』
『テンセイレッド君、目を覚ましたまえ!』
「ちょ、あんたらどうした!」
他の戦隊仲間が次々と通信を入れて来た。
『僕達も、決戦に参加させてもらう事になってね♪』
前世の仲間であるローズレッドがサラリと述べる。
『面白い祭りに仲間外れは無しだぜ♪』
火遁ニンジャーも会話に乗て来る。
『君達の使命、我々も手伝わせて欲しい』
コダイレッドさんも鼻息を荒くして告げる。
「それじゃあ、皆でレイドバトルと言う事で宜しくお願いします♪」
ソシャゲのフレンド感覚で味方してくれた彼らに挨拶を交わす。
そうだ、まだまだ物思いに浸るのは早い。
仲間達とボスバトルを攻略しなければいけないんだ。
不謹慎だが、調子に乗てっテンションを上げて行かねばやってられない。
『それでレッド君、いや灯希君はお付き合いしている相手はいるのかい?』
「ちょ、お前は一体戦いの前に何をぬかしやがる!」
『うん、その様子だと前世みたいにフラグを立てて置き去りにしたみたいだね?』
いきなり前世のパーティーメンバーであったローズレッドが切りこんできた。
「前世の事はほとんど覚えがないし、友達以上の女子はいねえ!」
マジでヒノエとくっつくのが、俺にとって安全なルートだと思えてきた。
『そうか、僕も君のヒロインレースにエントリーさせてもらうよ♪』
「いや、勝手にレースを開こうとするな!」
『君は今世でも自覚がないようだね? もう逃がさないし、わからせるから!』
勝手に恋の宣戦布告をされてしまった。
火遁ニンジャーさん達は通信を切っている、関わりを避けたな!
『そのレースに参加する為にも、負けられませんわね♪』
「今度はブラックかよ!」
『私もいるよ、レッド君!』
「ちょ、イエローも!」
戦いの前に変なラブコメフラグ爆弾を設置しないでくれ!
俺は恋愛は前世も今世もダメダメなんだよ!
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