第48話:強盗将軍を撃破せよ 後編
「へ、上等だ! 皆、こっちもリンネテンセイオーで行くぜ!」
「「おう!」」
フンコロガシ怪人リャクダッツが召喚したのは、金の鎧武者型ロボ。
対してこちらも全部合体、リンネテンセイオーを緊急召喚。
デカブツ同士のぶつかり合いの始まりだ!
「前立てが金の瓢箪って、秀吉公が好きなのか?」
「いや、どんだけ日本の天下三傑が宇宙で愛されてるんだって!」
ブルーのボヤキに俺はツッコむ。
俺もブルーも歴史はゲームで学んだが、敵は何か秀吉公っぽいロボだった。
「先輩方、行くっすよ! シルバーさんもよろっす!」
「任せておけ、猟犬とゴリラのワンツーパンチだ♪」
ピンクとシルバーがが機体を操作する。
何と言うか、観覧車とクイズ番組の解答席を合わせたコクピット空間だな。
外の様子をスクリーンで見ながら戦う。
『ガッハッハ♪ 俺のお気に入りの略奪品キングヒョータンをみせてやる♪』
いや、略奪品を誇るなよ!
敵の叫びに心の中で突っ込む。
とはいえ、先手を取ったのはこちら。
リンネテンセイオーの左右の拳がジャブからストレートと繰り出される。
技のパンチャー、ピンク。
力のパンチャーのシルバー。
パンチ自慢の二人のコンビプレイは、敵のロボにガードを取らせた。
敵を殴る衝撃とロボの足運びでの地響きが伝わる。
『くっ! やりやがったな、ヒョウタンアシッド!』
「させるかよ、今度は僕だ! ケルピーハイドロ!」
こちらと距離を取った敵のロボ。
奴の兜の瓢箪から緑色の毒液が噴き出す。
対するはブルーの操作で射出された高圧水流。
こっちが押し返した所で追い打ちだ。
「汚物は消毒でお陀仏! フェニックスファイヤーボール!」
俺の操作で、リンネテンセイオーが両手から太陽の如き火の玉を放り投げる!
『甘いぜ、吸い込めキングヒョータン!』
敵のロボが、西遊記みたいに俺が放った攻撃を吸い込みやがった!
「ちょ、西遊記?」
「次は私が、グリーンサイクロン!」
俺と同じ事を考えたイエロー。
続いて敵を攻めるのはグリーン。
テンセイオーの両手の前腕が回転し、竜巻を生みだす。
『ヒャッハ~♪ こっちも竜巻ぐらい起こせるぜ~♪』
敵のロボがデカい金棒を虚空から取り出してスイング。
竜巻同士がぶつかり合い、双方霧散する。
「ふむ、流石は大将格と言う事か」
ゴールドは落ち着いて状況を分析していた。
流石は俺達の司令官だぜ、頼もしい。
「ええ、これまでの敵よりも手強いですわね」
「ブラック、一緒に乗り越えようぜ!」
「はい、レッド様♪」
「レッド君、私も!」
ブラックを励ましたら、イエローが食いついて来た。
「先輩方、犬も食わねえラブコメは禁止っす!」
「すまん、ビーストロボウェポンフェニクスアロー!」
俺の操作でテンセイオーが、赤い火の鳥型の巨大な弓を装備。
「弓術なら心得がございます♪ バーニングシュート!」
「ブラックが射るのかよ!」
武器を装備したらブラックに操作権を持って行かれた。
テンセイオーが弓を弾き、炎の矢を放つ。
『ヒャッハ~! 吸収だぜ~♪』
だが、敵ロボはまたしてもこちらの攻撃を瓢箪で吸い込む。
『お返しだ、火炎返し~~♪』
「大丈夫、こっちも吸収できる!」
敵ロボがカウンターで火炎放射をするが、俺達のロボも炎を吸い込む。
ゲームのポリゴンみたいな特殊空間内。
俺達の巨大ロボと敵の巨大ロボのバトルは、続く。
『おら~! どっかの世界から奪ったドラゴンの剣を喰らえ!』
敵ロボが出したのは、金色の竜の頭が鍔となった剣。
「貴様あっ! 僕の世界の至宝を返せ~~!」
ブルーが激高し突撃、テンセイオーが激流を纏ってドロップキック!
だが、こっちの攻撃は敵に弾き飛ばされた。
「くそ、僕の前世の故郷の皇帝陛下にしか使えないはずが!」
テンセイオーはオートバランサーで見事に着地したが、ブルーの怒りは消えない。
前世の世界の遺物が、あんなふざけた奴に悪用されたら許せねえよな。
『ヒャッハ~♪ 俺様はそう言った支配権も奪えるのよ♪』
敵ロボが剣を頭上に掲げれば、落雷が降り注ぐ。
「大丈夫、雷なら吸収できるから♪」
イエローがマスクの下で微笑む。
衝撃は響いたが、機体のエネルギーは回復した。
『ちい、回復しやがった! ならこっちも、虹色のバナナで回復させて貰うぜ♪』
敵ロボの中から何かを食う音が聞こえる、汚い。
「貴様、我が世界の宝であるレインボーバナナをよくも~~~っ!」
「今度はシルバーさんが切れたっす!」
「テンセイオー、ゴリラマッスルパンチ!」
激怒したシルバーが機体を操る。
今度はシルバーの前世の世界の遺物か!
敵は確実に、俺達のメンタルに喧嘩を売って来ている。
リンネテンセイオーがバンプアップし、ブラックホールを纏った拳で敵を殴る。
普段なら決め技になる一撃。
だが、敵のロボットは無傷だった。
『ヒュウ~~~♪ 俺様も乗ってるロボも元気百倍だぜ~♪』
敵のロボが虹色に光り、殴り返して来た。
「上等っす! テンセイオー、ハウンドラッシュ!」
ピンクが対抗して操り、パンチのラッシュのぶつかり合いとなる。
「く、すまない皆!」
シルバーが謝る。
「大丈夫だ、君の苦しみは共感できる!」
ゴールドがシルバーを励ます。
「その通りだぜ、俺達の前世の世界を侮辱するな!」
「ビーストロボウェポン、タイガーハンマー! サンダークラッシュ!」
イエローが巨大ハンマーを召喚して雷を纏って振るえば、敵の剣が粉砕された。
ブルー、すまない。
「イエロー、ありがとう。 僕はもう戸惑わない!」
「ごめんね、ブルー君」
「私もだ、乗り越える!」
前世の世界の遺物を壊されるも冷静さを取り戻したブルー。
シルバーも、落ち着きを取り戻した。
仲間の思い出を踏みにじりやがって、許せねえ!
『へっへへ、女王は餌にならない物は俺達に景気よく下さるからな♪』
またどこかの滅んだ世界の遺物を使おうとする敵ロボット。
そろそろ敵の嫌がらせに、俺が暴走しそうだった。
自分が何かされる以上に、仲間が傷つく方が胸が痛い。
「……皆、もう全部敵ごとやっちまおう」
「レッド、それは酷くない? 取り戻せるかも知れないんだよ?」
「グリーン君、レッド君もその点はわかった上での言葉だ」
グリーンをゴールドが窘める。
「レッド、やろうぜ! 僕は前に進む!」
「私も同感だ、もう取り戻せない!」
「グリーンちゃん、私達も前に進もう思い出とビーストと一緒に!」
「そうっすよ! 前に行きましょう!」
「そうだね、守る為にもやろう!」
「皆様、これ以上奴に各自の前世の思い出を汚させてはなりません!」
グリーンが納得し、ブラックがまとめる。
「「「転生剣っ!」」
俺達は必殺剣を召喚して構えた。
『おうおうおう、良い武器じゃねえか♪ 俺様に寄こしな!』
敵ロボットが右手を伸ばし、転生剣を奪おうとする。
だが、奴が伸ばしたロボの右手は爆発して消えた。
『馬鹿な! 俺の能力が効かないだと!』
敵のロボからリャクダッツの叫びが轟く。
「奪われてたまるかよ、奪えない物があるって事を教えてやる! 転生剣、ヴィクトリーフィナーレ!」
コックピット内で、俺達が腕を振るいVの字を描く。
金色に輝く巨大なVの字型のエネルギーが発射されて、敵ロボットを拘束した。
『……くそ、俺様が自由を奪われただと!』
最後まで好き勝手な事を言うリャクダッツを、俺達はロボごと一刀両断にした。
奴をぶった切って切り抜け、残心を決めれば大爆発が起こる。
「これにて一件、落着だな」
転生剣を納刀して戦いを終える。
他の世界の遺物とかまだまだあったのかもだろうが、全部消した。
「俺達は、前世の思い出と共に未来へと進む」
残る大物は、殺人将軍とクィーンタタキアンだ。
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