どの物語にも関心を持てなくなった男は、
自分で物語を紡ぐことで関心を取り戻すことに成功する。
そればかりか、この復活の経験は彼に、緻密な物語を織るための『糸』を操る才能を与えたのだった。
人を感動させるため、全力を注いで創作に励む彼だったが……
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創作者ならば誰もが抱く願望がテーマになった作品。
指先ひとつで、自分も他人も強く正しく美しく出来る。はたまたその逆も。
その「可能性」は人を前に進ませる原料にも、前後不覚に酔わせる元凶にもなる。
行方も知らずに進んだ結果、大切なものを踏みつけてしまわないか?
その場に留まって、周りを見るのも大切なことかもしれない。