救出
今までアキに教えてもらった魔法の成果が出ている。隠密魔法はかなり上出来でちゃんと見張りは見つかっていない。だが夜7時はとっくのとうにすぎている。その焦りから、少し足早に足音をなるべくたたないよう慎重に進んでいく。
「よし」
慎一郎は見事な隠密魔法によって館の内部に入ることは成功した。だがここからは運が試される。運も実力のうちともいうが、慎一郎はそうだと思っている。一つ一つドアの中を確認する。わざわざ一つ一つドアの小さな隙間を頼りにどんどん進んでいく。だが慎重にやっていたが時間がないという焦りから確認が少し煩雑になっている。すると遠くの廊下を歩いている警備に気づかず隠密魔法が少し緩んでしまった。
「侵入者だ!!」
警備の男は大声を出し周りの人間に伝えこっちに向かってくる。
(クソ、)
これでは隠密魔法も意味をなさない。慎一郎は覚悟を決め隠密魔法を完全に解き戦闘の形に入る。
「はぁ!」
警備の男が慎一郎めがけて突っ込んでくる。それを軽くかわし前へと進む。扉を一つ一つ丁寧にに確認する暇もないので雑に扉を開けながら進む。だがそれも困難になるほど警備が迫ってくる。慎一郎は魔法を心のなかので唱える。すると追いかけている警備の目の前に壁が突然できて行くてを阻む。そのうちに慎一郎は進む。
(くそ、どこにいる!アカリ!)
慎一郎は何度も何度もアカリの心配をしているが一向に部屋が見つからない。
(そうか警備が頑丈になっているところに行けばいいのか)
そう考えた慎一郎は警備の多いところを探し始める。一旦振り切った慎一郎はもう一度隠密魔法を使用する。館の中を探し回りアカリの場所を探る。
(クソ、どうしてどうして)
慎一郎は自分の気の緩みによって救助に遅れたことを悔やんだ。最近前の自分と今の自分を比べて成長をしたなと実感していたが、あまり変わっていない。
(変わったのは強さだけだ。心の強さは何一つ変わっていない、、、)
そう考えながらアカリのいる場所を探る。
「こんばんははリネフォーゼ殿。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。パキスン殿」
ああ、着いてしまった。今日ここでかぁ。
そう考えるアカリ。ニヤニヤとこちらを凝視している醜いブタと利益のことしか考えないクズ、慎一郎と忘れられない思いでを作ったことを思いだし今日のことを頑張って我慢しようと覚悟を決める。パキスンが勝手に決めたしきたりというものがある。それは婚約一年前の妻は夫と初夜を過ごさなければならない。今までの人たちもそうだったかわからないが最高に気持ち悪いしきたりである。そのしきたりを受ける前に慎一郎と繋がることでその嫌の思いを少しでも和らげようと考えてアカリは慎一郎に夜這いを行っていた。そして始めにアカリとパキスン二人だけで食事を始める。
「アカリさぁん」
「はい、何でしょうか?」
「今日も可愛いですね」
「ありがとうございます。パキスン様もいつもより格好良く見えますよ」
「ええ、そう?ありがとうございます」
(なわけねぇだろ。その顔面じゃあハエ以下だな)
さっきクズと話していた時は一応醜いブタ領主であったが、今ではただの醜いブタになってしまっている。そのブタと仮面を被り機嫌を損なわないよう会話をする。その後風呂に入り、お付きのメイドに体洗ってもらう。
「アカリお嬢様、過去の行動は忘れ今を考えください。抵抗せずパキスン様に身を任せてくだい」
「ええ、わかっているわ」
わかっていない。逃げ出したい。だができない。もうパキスンの館の中で警備は普段より厳重に行われている。逃げ出そうとしても無理だろう。体を洗ってもらっているとドアが開く音がする。
「やあ、アカリさん」
頬を赤らめたるんだ腹と醜い小さなものを垂れ下げお風呂に入ってきた。アカリは顔が一瞬青ざめたが仮面をかぶる。大浴場で二人一緒に入る。パキスンがアカリの肩にやり、少し成長気味の胸を揉みながら会話を始める。
「ねぇ聞いてよ、アカリさん…」
「そうですねぇ」
普段からセクハラは受けていたが一線は超えてこない。今日のために手は出さなかったのだろう。アカリも初め注意していたが最近では尻や胸を揉んでいるのは当然のようになっていた。今回の風呂だって初めてではない。だがアカリは慣れてはいないが相手の機嫌を伺い仮面をかぶる。その後風呂を出た後お互い別々の部屋に移動し、初夜を過ごすための服に着替える。
(こんな服でやるのか)
その衣装にアカリは驚いた。シャツは着ているがかなり薄く見えていて、パンツもギリギリのものを着ている。パキスンの性癖の詰め合わせのようなものだ。だが昨夜にやった慎一郎の思い出を忘れずにパキスンの寝室へ向かう。
(はぁ、やるのか私。今日で前までの私も完全におしまい。でもテレ助けてくれないかなぁ、まぁないか。そんな希望を抱くのはもうやめよう)
慎一郎は隠密魔法を使い警備が厳重なところを必死で探した。時折り警備に見つかるも培った剣術や魔法で対処をしていく。そうして見つけた。パキスンとアカリがいる部屋へ。
中へ入りたいが今までとはレベルが違う兵士が立っている。体はゴツくないが、オーラから違う。慎一郎は隠密魔法で慎重に近づき峰打ちを試したが、
「誰だ!」
気づかれ手を掴むが、
「それねぇ、偽物ね」
慎一郎はかなり成長をしている。厄介な相手なら事前に策を考え行動する。隙を見せた兵士は一瞬で気絶させられる。扉の前へ行き
(アカリ!アカリ!アカリ!)
心の声でアカリの名前を叫ぶ。扉を開け、そこに映っている光景は...
努力をしなかったクズ人間が異世界に転生した結果… たっち @11454tatti
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