等級総覧
厄位
妖異の脅威度を表す等級。強さが純然として原理を持たないものが上位に位置付けられる。論理立て解明できるものは戦術的に対処できるため、下位となる。危険の規模は指標として二の次である。
九十九語りは院からの提言を採用し、日本の
凶、小凶、半凶、末凶、大凶、
凶
“微笑ましい”厄。恐怖心を煽るだけで基本は無害な妖異が分類され、手配対象外。稀に加害的な振る舞いをしても、致命的な被害となることは殆ど皆無である。“厠の花子さん”や“呪われた電話番号”のように子供騙しな小物に対して“語り部”が動くまでもなく、通報を受けた場合は下請け業者に委託する。
小凶
“笑えない”厄。人命に関わる被害を及ぼす妖異が分類され、手配対象となる。しかし語り部が動く水準ではない。“刃物を振り回す一般人”相当の危険度とされる。遭遇した場合は警察の担当部署に通報すれば対処してもらえる。
半凶
“洒落にならない”厄。民間人の生活圏や社会機能に深刻な被害を与える妖異が分類され、語り部が出動するに足る。“武装した軍人の小隊”相当の危険度とされ、出現の際は民間人への迅速な避難勧告が求められる。この水準の妖異が現世に侵入することからして未然に防がれるべきだろう。
末凶
“いっそ笑える”厄。国際的な被害を及ぼしかねない妖異が分類される。一国の軍勢に匹敵する危険度とされ、出現の際は国境を越えた各国の連携が必要となり、語り部複数の出動が推奨される。遭遇したなら、諦観の余り笑いすら込み上げることだろう。
大凶
“御仕舞”の厄。惑星規模の壊滅的被害を及ぼしかねない妖異が分類される。世界中の核兵器を束にしたような危険度とされ、出現の際は人類の総力を上げた戦いが始まる。
⁑枯葩家は創建の時点でこの等級に指定された。
十剣
“触れてはならない”禁忌。被害規模が天文学的かつ、戦術的な対処が困難を極める妖異が分類される。超新星爆発に匹敵する危険度とされ、それが攻勢に出てしまった時点で、人類の滅亡は決すると言っていい。できるのは分を弁えることだけで、上位存在の歩む邪魔にならないよう、道を譲り続けるしかない。
⁑枯葩家は大正の頃には既にこの等級に指定されている。
神災
“知られざる”絶望。被害規模が超宇宙的かつ、あらゆる対処が意味を成さない妖異が分類される。真空崩壊に例えられる危険度とされ、それの襲来は人類のみならず、万物を無へと還すやもしれない。現実を全面的に超越した威力。窺い知ることさえあってはならない、究極最後の謎として残すべき、破滅の神々である。
⁑枯葩家は今後千年でこの等級に指定されることが予想される。
--- --- ---
戦闘力概要
筋力、防護、速度、活力、精神、知恵、技術、(法術、器量、威力、異能)
以上の項目で評価する。七つの基本項目と、四つの特殊項目で成る。只人ならば特殊項目を除いた上で各項目は必ず十以下となる。より大きな値と特殊項目を持つなら、それは術師または妖魔である。
院の技術によって、三二七六七までの尺度で測ることができる。これを総合力に当て嵌めた場合、天文学的な数値であるが、神格の平均的水準には及ばない。数値が二倍になれば力は十倍になるとされる。中級以上の神格や英傑は全項目が測定不能である。
以下に目安を示す。
筋力
十で筋骨隆々の只人
百で通常生物を凌ぐ
千で重機にも勝る
上限値で山をも砕く
防護
十で瓦程度の硬さ
百で巌の如き硬さ
千で鋼鉄や金剛石を思わせる
上限値で山肌の不動に等しい
速度
十で自転車程度
百で高速列車に相当
千で音速を突破し飛行機を追い越す
上限値で極超音速に達し地球の重力を振り切る
活力
十で薬の効果を常に受けているようなもの
百で致命傷を失血死する前に治癒する
千で手足すら隙すら生まずに再生する
上限値で寿命と致命傷を克服し、不死と成る
精神
十で思考が冴え渡り、常に冷静を保てる
百で痛みや圧迫に対して発狂とは縁遠くなる
千で冷静さの水準が鎮静剤の作用と同等になる
上限値で涅槃の域に至り、あらゆる精神攻撃を無効にする
知恵
十で大学教授水準
百で集合知水準
千で電子演算機よりも高速で素因数分解を行う
上限値で歴史を動かす叡智へ到達する
技術
十で歴戦の剣豪に相当
百で剣術は只人に既知の型に当て嵌まらなくなる
千で無銘の鈍らすらも妖刀へと昇華する
上限値で霞の如き無稽のものすらも斬り伏せる
法術 妖術を扱う得手
器量 潜在能力の底深さ
威力 総合的に出力される力
異能 固有な能力の特殊性
以下に実例を示す。
コハ マコト(初期)
筋力 五
防護 五
速度 五
活力 五
精神 五
知恵 五
技術 五
--- --- ---
戦闘術
【銃撃】
射程:五 対象:一 被害:二〇
⁑ 拳銃による攻撃。
【斬撃】
射程:〇 対象:一 被害:一〇
⁑ 日本刀による攻撃。
【
射程:〇 対象:一 被害:七
⁑ 体術による攻撃。
澱泳ぐ老魚
⁑ 偶発的に枯葩邸へ招き入れられるも、結寿葉によって握り潰された小神。
筋力 一五八〇
防護 一五五〇
速度 一三七〇
活力 一五〇〇
精神 一五四〇
知恵 一〇五〇
技術 一四一〇
法術 一五二〇
器量 一〇〇〇
威力 一五五〇
異能 一五六〇
--- --- ---
戦闘術
【鋭い甲殻】
射程:〇 対象:一 被害:一八〇
⁑ 殻に覆われた鋭い節足で切り裂く。
⁑ 結寿葉の内界から脱出する、彼女へ襲い掛かる際に使用。絶対的な力の差によって、時空間さえ捻じ曲げられ、命中不能となり無意味に終わった。
【停滞へ濁す水泡】
射程:一五 対象:二 被害:三二〇(心)
⁑ 吐き出した泡を対象に浴びせかけ、精神に被害を与える。沈鬱を催せば、動きも思考も鈍らせ隙を誘う。
【太陰の
射程:八〇 対象:一 被害:五〇〇
⁑ 荒ぶる神性の発露。
コハ クラウド
筋力 一一五〇〇
防護 一一七〇〇
速度 一二八〇〇
活力 一二六〇〇
精神 一二八〇〇
知恵 一四五〇〇
技術 一三一〇〇
法術 一三三〇〇
器量 三二七六七
威力 一二一〇〇
異能 一五六〇〇
--- --- ---
戦闘術
【徒手空拳】
射程:〇 対象:一 被害:九九九
⁑ 特殊な術も能力も用いない只の体術だが、神罰の災いを思わせる威力を振るう。彼の膂力は枯葩家において“か弱く”ある筈なのだが。
コハ タダシ
筋力 一七五〇〇
防護 一七四〇〇
速度 一七七〇〇
活力 一七一〇〇
精神 一五九〇〇
知恵 一八三〇〇
技術 二一五〇〇
法術 二一二〇〇
器量 三二七六七
威力 一五四〇〇
異能 一九二〇〇
--- --- ---
戦闘術
【徒手空拳】
射程:〇 対象:一 被害:三七五〇
⁑ 特殊な術も能力も用いない只の体術だが、核爆発に匹敵する烈風が吹き荒び、下手をすれば余波だけで都市が壊滅しかねない。
コハ カズサ
筋力 二九八〇〇
防護 二九八〇〇
速度 二九八〇〇
活力 二九五〇〇
精神 二九七〇〇
知恵 二九五〇〇
技術 二九〇〇〇
法術 二九〇〇〇
器量 三二七六七
威力 二九八〇〇
異能 二九五〇〇
--- --- ---
戦闘術
【徒手空拳】
射程:五〇 対象:三 被害:一三一〇〇〇
⁑ 特殊な術も能力も用いない只の体術だが、中規模の核融合爆発に匹敵する殴打の連撃が、あらゆる生物的形態を、融解の過程を飛ばして瞬間的に蒸発させる。
枯葩 正悟
筋力 測定不能
防護 測定不能
速度 測定不能
活力 測定不能
精神 測定不能
知恵 測定不能
技術 測定不能
法術 測定不能
器量 測定不能
威力 測定不能
異能 測定不能
--- --- ---
戦闘術
【徒手空拳】
射程:??? 対象:??? 被害:???
⁑ 特殊な術も能力も用いない只の体術だが、その威力の程、人類が将来に造り出し得る悪魔めいた破壊兵器すらも凌ぐ。一撃で大陸が沈み、二撃で地球を踏み砕き、三撃で太陽すら球形を保てぬよう抉る。
詠風羽姫
筋力 測定不能
防護 測定不能
速度 測定不能
活力 測定不能
精神 測定不能
知恵 測定不能
技術 測定不能
法術 測定不能
器量 測定不能
威力 測定不能
異能 測定不能
--- --- ---
戦闘術
【徒手空拳】
射程:??? 対象:??? 被害:???
⁑ 特殊な術も能力も用いない只の体術だが、超新星爆発を凌駕する正真の神威である。一挙手一投足が星を天空から墜落させ、連撃ともなれば星団を破壊し尽くすだろう。破壊は物質的な域を超え、時空や概念すらも粉砕撹拌するかもしれない。
枯葩 邑仁
筋力 測定不能
防護 測定不能
速度 測定不能
活力 測定不能
精神 測定不能
知恵 測定不能
技術 測定不能
法術 測定不能
器量 測定不能
威力 測定不能
異能 測定不能
--- --- ---
戦闘術
【徒手空拳】
射程:??? 対象:??? 被害:???
⁑ 特殊な術も能力も用いない只の体術だが、彼のそれは時空を揺るがす。威力や規模で言えば詠風羽姫に劣るが、真に恐るべきは破壊の“深さ”にあり、別時空の異世界にまでも破壊の余波が届くことになる。
枯葩 結寿葉
筋力 測定不能
防護 測定不能
速度 測定不能
活力 測定不能
精神 測定不能
知恵 測定不能
技術 測定不能
法術 測定不能
器量 測定不能
威力 測定不能
異能 測定不能
--- --- ---
戦闘術
【徒手空拳】
射程:??? 対象:??? 被害:???
⁑ 特殊な術も能力も用いない只の体術だが、彼女のそれは全能の域にある。宇宙や神格すらも一撃で絶無へと帰し、この物語そのものが強制終了してしまうのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます