　川本奈美子は中学校の地下、効能人体実験室の培養カプセルの中で目を覚ました。

　目が覚めたばかりで、視界がぼやける。意識もはっきりせず、朦朧としている。

　しばらくの間、何も考えず実験室を眺めていた。

「だ……だ……」

　奈美子は自分の口が勝手に動いていることに気が付く。同時に、体の中から凄まじい力が沸き上がってくるのを感じた。

「だ……だ……！」

　奈美子は培養カプセルをぶち破った。バズーカ砲の直撃にも耐えうる合成強化ガラスで作られたカプセルをである。

「だ……だ……」

　そして、地下の実験室から広畑中学校全体に響くような咆吼を放った。

「男子全員死ね！」

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